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2018年12月

2018年12月26日 (水)

あぐり新聞 2019年1月号

 あけましておめでとうございます
 本年もよろしくお願いいたします
皆様へ
 いかがお過ごしでしょうか。いよいよ「平成31年」の幕開けですね。次の元号まで5カ月しかありませんが、新年はあくまで平成の世です。現元号に敬意を表したい。一方で私たちは次の時代へ走り始める。そんな年明けでもあります。新年は今まで以上にワクワクするのは私だけでしょうか。
 松幸農産では、11月中に麦の作業が終わってしまったので、31年産の米作りにまい進しています。昨年あまり良くなかった収穫でしたので、何とか暑さを乗り越える環境を作り上げようと、再度 土壌の現状を見直し、土づくりを行っています。
近年は、基本的な土壌成分だけでなく、微量要素が注目されていて、マンガン、ホウ素、モリブデンなど聞き覚えのない微量要素の必要性が認識されてきました。
 自動運転などの効率化とは別のところで、生育環境の最適化が注目されているのです。本格導入の前段階として まずはそれら実験を行おうと考えています。年に1回の米作りですので、進みは遅いですが着実に進めて行こうと考えております。
 さて、いよいよ農業界が大きく動く1年のスタートです。良くも悪くもお米を取り巻く生産現場で激動が始まるかもしれません。
 昨年のあぐり新聞で書きましたが、国が生産調整から離れてこれからは業界が主導して需給調整を行うことになりました。これが、「平成30年問題」ですね。もう31年だからこれからではないと思われるかもしれませんが、こういった国の政策で何か変化を感じたり、また業界が動き始めるのは、タイムラグがあって1年後のことです。「どう変わるのか」が見えないので1年目はほとんどの人が様子見をして動かない。そして、1年後に本格始動する。いつものことで想定内のことです。
 その上で、平成30年はどうだったかというと、「お米を作って何も不利益はなかった」とみんなが感じた年でした。松幸農産もそうですが、今までの生産調整の縛りが無くなったので、若干多めな米の作付けになりました。
全国的に同じようなもので、本来これで供給過剰になります。しかし、それを北日本の不作が打ち消しました。供給量にそれほど変化がなく29年と30年では何の危機感も生まれなかったのです。
するとみんながこう考えます。「面倒な転作をするより、米を作った方が得ではないか?」 実際に、私の周りでは 年十年と生産調整に参加してきた生産者が、今年から「生産調整をやめる」と言い始め、米の作付けに変更するようです。思い切った判断ですが、その方が得ですので間違っていません。
ですが、仮に多くの人が同じように考えて米の作付けが増え、また 来年が豊作となればどうでしょう。供給過剰になって、お米が一気に余りはじめます。「平成30年問題」が、一気に表面化する。これが、今年起こるかもしれません。あくまで可能性の話しですが。
 実は、5年前にこのシナリオを想像しました。どこかの早いタイミングで供給過剰になる。それはつまり米価が大幅に下落するという意味です。9年前に政策変更の波にのまれ、非常に苦労した身ですので このことを楽観することはできませんでした。依頼ずっと数年後に起こるであろう激動を乗り切ることを 農業経営の根幹にしてきました。
やるべきことは真面目にお米を作ること。品質を上げ、反収を増やし、きちんと農地を管理する。調子に乗らず、傲慢にならず、身の丈にあった農業を行う。地味すぎますが、そんな地味なことを積み重ねて今があり、仮に次に何があっても乗り切れるだけの自信を持つに至っております。私は私で間違ってないと考えています。
 「心配しすぎで、何も起こらなかったら?」 そうですね。残念ですね。
大雨に備えて傘を用意したのに必要なかったようなものです。傘を持つ手があいていれば、もっと色々とできたかもしれませんね。心配しすぎだと笑われるかもしれません。
 
 でも、と思うのです。農業で最も大切なことは、「持続可能かどうか」。流行り廃りの世界ではなく、普遍的な価値としての「食糧」を生産する私たちの役割は、作り続けていけるかどうかです。大地を耕し続けてみんなが食べていけるようにするのです。
そして、私は生産者として誠実に農業を続けていきたいと考えています。食料が十分ある社会を維持できるように、そんな役割を担う松幸農産であり続けたい。
 今年ではないかもしれないけれど、新しい時代に入れば、その時々の「荒波」が迫ってくるでしょう。それをいつの日も乗り越えて、着実に歩を進めて行く、そんな思いです。
不安もあるけど希望もいっぱい。「ど~んと来い!」で行きましょう。
新しい時代が始まります。
                                     農業生産法人 松幸農産
                                           代表 松田丈輔

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2018年12月 3日 (月)

あぐり新聞 12月号

 
 12月に入り今年もあっという間に1年が過ぎ去っていきます。皆様いかがお過ごしでしょうか。暖かい日が続いていたので秋の感覚でおりましたら、いきなり寒さがスタートして、もう 12月であることを思い出しました。年々 秋が短くなっている気がしますが、やはりカレンダー通りに冬が来るので油断してはいけませんね。
 松幸農産では麦の種まきが例年にないペースで進んでいます。11月が青天続きで、作業がとてつもなく進んで、全体の7割を終えることができました。昨年なら、この時期に半分も終わっていなくて、新年早々遅れを取り戻そうと四苦八苦しておりましたが、このペースなら12月の中旬には作業を終えることができそうです。「今年は安心して年末年始が迎えられるかもしれない」 過去に経験したことはありませんが、そんな淡い期待が実現することを願う今日この頃です。(たぶん期待で終わりますが)
 さて、平成として迎える最後の12月になりました。日々生活や仕事のなかで、変わることは何もありませんが、一つの時代が終わっていくことに感慨深く感じます。
 
 私が就農した20年前は、まだまだ個人の農家さんの時代でした。それぞれの家が米を作るための新品の農業機械を持っていて、農繫期はそれらが田んぼに出てくると賑やかに感じたものです。田植えともなると、家族総出で作業をして、「美田」を競っていました。
苗は線で引いたように真っ直ぐに植えられ、畔草は芝生のようにきれいに刈り取られています。当時の松幸農産は耕作面積こそ今の数分の一しかありませんでしたが、すでに大規模生産者としての歩みをスタートしていた時で、どうしても個人農家さんほどに美田にできず、「もっと草刈りしなさい!」と、よく怒られたものです。逆に大汗をかいて休憩していると、声をかけてくれてジュースをもらったりしていました。今思えば古き良き時代です。
 
 しかし、年を追うごとに離農する農家さんは増え、松幸農産の耕作面積も増えていきました。バラバラに耕作の依頼を受けていって、効率的ではなかったですが、松幸農産も大規模生産者に育っていきました。ただ、当時は大型生産者に対応する機械、農薬、肥料などは開発されておらず、個人農家さんと同じような装備のままです。また、米価がどんどん下がっていく時代とも重なっています。耕作面積が増えているのに、古い装備と米価の下落。できることは 朝から晩まで働くだけで、そうすることで何とか乗り越えようともがいていました。
 好転しない状況にあって、最大の試練が来たのが 政権交代の時です。農業政策が大幅に転換され、対応しきれずに会社の存続すら危うくなってしまいました。沈みゆく泥舟のような状態で、周りから一人二人と人が消えていき、膨大な面積を耕作することは不可能に思えて、「もう、無理だ・・・」と、言葉通りに眠れない夜が続きました。
 もう何も打つ手がないと苦しんでいる時に、東日本大震災がありました。東北のお米が市場から消え、米価の高騰をもたらしたのです。これは、今でも申し訳ない気持ちでいっぱいですが、これが原因で立て直す機会を得たのです。人手不足の時代でもなかったので、何とか人を集めて、田植えをして形だけは整えることができました。ただ、あくまで形だけで十分な体制ではありません。きちんと生産するためには、農地を減らすしかなお。しかし、農地を返却しては、離農して、信頼して農地を貸してくれた農家さんを裏切ってしまいます。

 散々悩んだ挙句に出した答えが転作でした。小麦を作ることで、作期を分散し、米の面積を減らし、耕作を継続する。米だけを作ってきた生産者としてのプライドはありましたが、最善の手に思えました。小麦の生産は初めてで全く自信はありませんでしたが、幸いにも最初の年が豊作で、米と麦の生産体系がうまく滑り出していったのです。その後、この体系が安定して、再度 耕作面積を無理なく増やして、米も転作前の面積を耕作するまでになりました。

 振り返ると、今でも確信的に思うのですが、人だけは恵まれていたと思っています。困難に直面して、自分一人でどうしようもないとき、そこには誰かがいてくれました。厳しい状態にあっても、心配してくれる人、助けてくれる人、我慢してくれる人、見守ってくれる人、笑顔を見せてくれる人、様々です。そうした離れずにいてくれる人がいて、私は農業を続けてこれましたし、今も松幸農産が元気に農業に励んでいけるのです。ありきたりの言葉ですが、本当に「感謝」しかありません。

 幸せに働き、苦労も経験して、平成も終わろうとしています。ここで一つの区切りをつけて、次の時代に進んで行こう、そんな意味も込めて、苦しい時期を振り返ってみました。新たに始まる時代も、自分たちの農業が続いていくように、自分たちが作るお米が誰かのためになるように。そんな松幸農産が続いていくように、心から願っています。

                                農業生産法人 松幸農産
                                      代表 松田丈輔

結びに
 皆様、今年も1年間本当にありがとうございました。非常に難しい時代ですが、こうして私たちのお米を食べてくださる皆様がいることが何よりの励みです。来年も少しでも皆様の期待に応えられるお米を作っていこうと思いますので、ぜひ見守って下さい。
 何かと慌ただしい季節ですが、どうか良いお年をお迎えられますように。
 1年間ありがとうございました。


餅の販売について  
 年末恒例の「お餅」を発送しております。全て手作りのため、待っていただくことや、特に年末が近くなると作り切れず「売り切れ」にすることがあります。
 できましたら、お早めのご注文をお願いします。


臨時休業を致します
 1月19日(土)~1月22日(火)まで、社員旅行のため臨時休業いたします。10年ぶりのことですので、ご不便をおかけしますが、どうかお許しください。その間のお米の発送もお休みですので、お早目のご注文をお願いします。

 12月29日(土)~1月4日(金)の間は、お休みを頂きます。
 年明けは1月5日(土)~の発送となります。

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