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2018年11月 5日 (月)

あぐり新聞 10月号

皆様へ
いかがお過ごしでしょうか。
 
 あれほど暑かった夏は遠く過ぎ去り、今となっては「あれは現実だったのか?」と思うほど過ごしやすくなりましたね。松幸農産ではお米の刈り取りも全て終わって、新米の発送や年貢の配達などの仕事をひと段落したところです。10月は荒起こし、もみすり、小麦に播種準備と連続して仕事は続いていきます、収穫が終わった瞬間から、次年の31年産はスタートしますので気持ちも新たに農業を続けていこうと思っています。
 さて、今年は台風に泣かされた収穫でした。収穫前に来た台風20号はぶどうハウスのビニールを吹き飛ばし、ビニールの全面張り替えを余儀なくされました。収穫末期に来た台風21号は、昨年作ったばかりの同じくハウスの鉄骨ドアを吹き飛ばしました。他にも、カーポート、精米所のドア、道路の看板なども吹き飛ばし、近年まれにみる被害です。幸い保険に入っていますので、自己負担の損害は大きくなかったことが救いではありました。
 
そういった大型の台風が、この時期に来るとどうなるか?収穫がどのようになるかをご報告します。
 先の20号はほぼ直撃の台風でした。生育の早いものだけ収穫を初めていましたので、既に刈り取り時期に完全に入っていたのです。迫りくる暴風に激しく揺れる稲穂を見ながら、「何とか耐えてくれ」 と祈るような気持ちでした。朝に出勤して、吹き飛ばされたハウスはさておき、田んぼを見回ってみますと 少し倒れ始めていましたが、収穫に支障をきたすほどではありませんでした。それこそ踏ん張ってくれたのです。
しかし、稲穂は一度倒れ始めるともう元に戻ることはありません。日が経つにつれて、稲穂の重みでゆっくりと倒れていきます。倒状を止められない限り、できることは一刻も早く収穫を進めてしまうこと。その後は 晴れが続きましたので、必死に刈り取りを進めて行きました。
 そんな中で、台風21号は発生しました。「最強」という枕詞がついております。何とか逃げ切ろうと一生懸命作業を進めましたが、どうしても間に合いません。台風当日は安全のため自宅待機でしたが、暴風が家を揺らし、突風が雨戸を叩きつけます。怖くてドアも開けられません。台風は朝から暴風圏に入り、夕方に通り過ぎました。夕方にはまだ強風でしたが、すぐに家を出て松幸農産に向かいます。
強いはずの鉄骨ハウスが飛ばされているのを横目に田んぼを見に行きました。そこにあったのは、もう破滅的なほどに倒状した田んぼの姿です。ぐしゃぐしゃに折り重なるように倒れてしまって、水に浸かっています。
「これ、どうしたらいいんだ?」 とガックリきて、何度もため息が出てきます。自分自身も押しつぶされたような感覚になります。もうできることはありません。
結局、2万平方メートル(6,000坪)程度が刈り取れず、被害額は300万円。もちろん保険なんてあるはずもなく、決して少ない被害ではありません。何とかわずかでも刈り取れないかと努力してみましたが、いつもの何倍も時間をかけて刈り取ってみても出来上がったお米は廃棄するしかない程度のものでした。後日、もみ殻と一緒に土に戻す予定です。
 農業をしていれば自然の驚異なんてあって当然のこと。そうならないために強い作物を育てます。もともと倒状に弱いコシヒカリであっても、根張りを良くし茎が太くなるように育てて、力強い稲へともっていきます。そうして収穫期にくる最悪の台風に対して、1回は耐えることができました。でも2回は難しかった。想定外と言えば、言い訳になるかもしれませんが籾が充実しきった段階ではどうしようもありませんでした。こうして今年の収穫は終わりました。
 今年の経験を来年にどのように活かせるか、まだ答えは出ていません。振り返っても、何が悪かったとは まだ思えないのです。そんな煮え切らないままでも、秋から冬、冬から春へと季節は前に進んでいきます。悔しいけれど、せめて気持ちだけは負けないように次の耕作へ向かおうと思っています。
                                       農業生産法人 松幸農産
                                       代表 松田丈輔
倒れても・・・
 倒状した数日後、稲のすごさを実感しました。水平に倒れた稲の一番下の株の間から次の「苗」が突きだしているのです。稲穂は茶色なのに「苗」は緑色。茶色の田面に田植えの後のように緑色の苗がずらっと並んでいました。しゃんと真っ直ぐに上に向かって。おそらく稲本来の力なのでしょうね。ものすごい生命力です。
コンバインのこと
 思い切って購入した新型コンバイン。エンジンも大きく、とにかく動作がものすごく早いです。旧型と比べて どんどん作業が進んで行きます。例年なら どんなに一生懸命刈り取ってもセンターにある乾燥機が満杯になることはシーズンに数日しかありませんでしたが、今年は ほぼ毎日満杯になりました。
すると自然と帰社も早くなりますよね。これはこれで悪いことではないのですが。肩透かしと言いますか、もっとガンガン頑張れるのに、施設(乾燥機)の都合で仕事を終えなくてはならないのはやはり残念です。もう数日あれば、台風被害も避けられたことを考えると、来年は乾燥機を追加しようか迷っています。よりよく働くために、良い収穫を得られるように。
30年産の品質について
 今年のお米は、夏に高温が続いたため乳白色の粒が散見されます。今年の気候での特徴としてそのようになりました。高性能の選別機を新たに導入し、できる限り入らないように注意しておりますが、完璧ではありませんので 気になられる方も多いかもしれません。
もし、気になられるようでしたら、松幸農産までご連絡ください。すぐに交換させて頂きます。
 

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