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2018年8月 4日 (土)

あぐり新聞 7月号

皆様へ

 夏本番が始まりました。皆様いかがお過ごしでしょうか。

照りつける陽射しとムワッとする空気。じっとしていても流れ出る汗。
もう暑くと暑くて仕方がありません。

冷却ファン付きの作業着を着用すればクールに過ごせるのかもしれませんが、まだあまり普及していないところを見ると、「よし、買おう!」 と決心もできません。
「対策は?」 と言われると何もなくて ただただ 「暑いと考えない」 と答える。暑さは快適さを求めるのではなくて、乗り越えるものだと考えています。皆様はどうですか?

 さて、小麦の収穫が終わった松幸農産。今年は不作となってしまいました。転作を始めて5年ほど経ちますが、ここまで期待通りにいかなかったことはなく、実は非常に頭を痛めております。
農業法人である限り、農産物は必ず一定量を収穫しなくてはなりません。もちろん、天候によってうまくいかないことがありますが、そういったことを考慮して、また予測 したりして減収によるリスクを乗り越えていくものです。
大幅な減収に陥った場合の共済制度もあって、最悪はそれに助けてもらうことになるかもしれませんが、あくまで保険の位置づけで、「使うべきではないもの」 として考えています。ですから、常にきちんと収穫できるように最新の注意を払いながら日々作業を行います。
ただ、小麦には「連作障害」という避けては通れない問題があります。お米とは違い、畑作物の小麦は同じ圃場で毎年作り続けることができません。また、排水性の高い圃場(畑の地質)が適していて、保水性を必要とする田んぼとは性質が異なります。

 松幸農産のある伊勢平野は、お米を育てるには適したしっかりとした土壌が多く、麦を育てるサラサラした畑の土壌が少ないのです。連作が効かず、小麦に適した土壌の圃場も少ない。この条件ではどうしてもお米の土壌で小麦を作らざるをえません。
今年がそれにあたりました。連作にならない田んぼに小麦の種をまいて、雨が少なければうまくいき、雨が多ければ減収になることを覚悟ですすめるしかなかった。それが裏目に出たのです。予測できたことだけど、実際に起こると残念でなりません。共済を使うほど減収ではなかったことが唯一の幸いでした。

 さあ、こうなるともうお米に頼るしかありません。「お米の収穫が悪ければ・・・」 なんて考えたくもないし、考えてところで何の足しにもならない。田植えをして2ヶ月以上が過ぎ、もう戻ることさえできないのです。
今、田んぼにある苗を大切に育てるしかない。ここまで来ると、あとは苗の自力と天候が大事ですが私たちができることがまだあるのではないかと自ら問いかける日々です。
ただ、一つだけ光明があるとすれば、今年は冬の間に例年以上に土壌改良に力を入れておいたところです。小麦の減収を予測してのことではなく、より良いお米を育てるためにより良い土壌を作っておこうとの考えからでした。小麦用にもお米用にも行ったことなので、楽観することはありませんが、現在の苗はがっしりとした体躯を、どっしりとした根が支えて非常に力強く育っています。十分に地力を吸い上げ、日照がしっかりあればお米はなんとかなるのではないか。いや、もしかしたら小麦の減収分をカバーするに足りるのではないかと祈る気持ちで期待しています。

 農業が数式にようなら良いのにと思わずにはおれません。「1+1=2」のように 「農作業+努力=良い収穫」 となればどれほど良いことか。でも、実際はそこに様々な要因が複雑に絡まり合って、時に「足し算」 時に「引き算」、ある時は「掛け算」、またある時は「割り算」と変化し続けてしまいます。同じ手順で同じ作業をすることが、一つとして結果を担保してくれるものではない。宿命と一言で片づけるには、あまりにも辛い現実が確かに農業にはあります。
「打ち勝つ・・・」しかないのですね。失敗は来年に打ち勝つための材料に、成功もまた来年に負けないための材料に、一つ一つ積み重ねて生きていくしかありません。

7月に入り、お米の収穫のためにできることは、もうこの1ヵ月だけです。最後の最後まで、のたうちまわって頑張っていきます。

秋に素晴らしい収穫が迎えられることを心から願い、そして毎日祈るように過ごしております。

                           農業生産法人 松幸農産
                                代表 松田丈輔

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