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2017年9月 5日 (火)

あぐり新聞 9月号

とれたての新米をお届けしています。

皆様へ
 暑さが残るこの時期ですが皆様いかがお過ごしでしょうか。松幸農産では待ちに待った収穫期がやってきました。最後の最後に長く居座る台風が来てしまったので、一時はどうなることかと思いましたが、幸いにも倒伏などの被害も軽微で無事に進めることができそうです。「空梅雨の年は秋の長雨」 近所のおじさんから聞いた言葉が当たっていないことを祈りながら9月中旬までどんどん刈取りを進めていきます。一年に一番お米が美味しいこの季節。適期刈り取りの、収穫したてのお米を届けるべく、松幸農産ではスタッフ一同、フルスロットで頑張っています。 

 さて、この件は書こうかどうか迷いました。ですが、妻から「悪いことをするわけではないので問題はないでしょう」と背中を押されたので書くことにします。

 実は我が家では「生協の宅配」を利用しています。会員の一人です。ある日妻から「生協のカタログと一緒にこんなチラシが入っているよ」と声がかかりました。「お米のご寄附をお願いします。社会福祉協議会」 内容はこうです。地域に生活困窮者がいて収入が十分でなく食糧確保もままならない方々がいる。そういった方々を対象に、1日2合(最大5日分)を上限にお米を提供したい。そのためお米の寄付を募っています。

 読んだ瞬間に「ああ、これは自分たちがやるべきこと」と思いました。農業を通じて、食の大切さを知っているつもりですし、自分たちが作るお米が「生きる糧」であってほしいと思っています。収穫期はそういった気持ちを一番強く持つ時期でもあります。大したことはできなくてもできることだからやるべき。 そう思いました。

 ただ疑問も浮かびます。はたしてこの国でこんな身近に、こういった状況があるだろうか。また、一日2合のお米を5日分配布するだけで、いったい何の役に立つのでしょう?その疑問を社協に電話で聞いてみました。答えはこのようでした。生活困窮者には生活保護制度があります。しかし、生活保護とまでいかずとも日々の食に困っている人が相当数いる。たとえば昔からの持ち家に住む高齢者。精神障害で動けない母親。DVで逃げ出してきた人たちなど。生活保護の支援外であったり、どうしても受けたくなかったり、誰にも何も訴えることのできない人がいる。もちろん、そういった方々への行政支援もあるのですが社協職員が巡回していると今日たった今、食べるものがない人がいて、とても支援を待っている状況にない。そういう人にすぐにお米を提供できるようにしておきたいそうです。やっぱりお米が一番なのでしょう。

 でも自分たちにどれだけのことができるのか?正直、支援に全財産を投げ打つことはできないし、継続して支えていくだけの気概も持ち合わせておりません。「中途半端なら止めておけ」と心のどこかで思いもするのです。」

 正直に書きます。提供すると決めたのはお米5俵(300㎏)です。何千俵も収穫してたったのこれだけです。機械を修理して肥料を買って、従業員みんなのせいかつもあって。一生懸命考えた結論です。不甲斐なさや葛藤や、自分の偽善への疑いや受けるかもしれない批判の声。そうしたことを差し置いてただできることをしました。

 いつも思うのです。農業の価値は食べ物を作ること。それが食べる人の血となり肉となる。命をつなぐたった一つの手段です。私達はそういう大事な仕事を任されている。そうであるならそういった取り組みはやり過ごすことはできない。 と考えました。

 できることならこの秋の収穫が一人でも多くの方々の喜びになることを。自分たちの泥臭い汗が命をつなぐ一助になることを願っています。このお米を食べて下さる皆様が、健康で元気でお過ごしであることを心から願っています。

                           農業生産法人 松幸農産
                                 代表  松田 丈輔

ランドンへ
 産官学連携の日本酒プロジェクトを今年も継続しています。昨年のパリに続き、今年はロンドンに行きます。今回はお酒だけでなく松幸農産のお米も持っていくことになりました。まだ次にどんな展開が待っているのかわかりませんが、いい話になれば新しい展開も開けてきます。遊びなしの弾丸ツアーですが非常に楽しみです。

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