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2017年1月

2017年1月10日 (火)

あぐり新聞 1月号

明けましておめでとうございます。

本年もよろしくお願い申し上げます。

皆様へ

 新しい年がスタートする1月。皆様いかがお過ごしでしょうか。年末、年始とゆっくりされましたでしょうか。何の根拠もありませんが、新しい年を迎えるとなぜか明るい未来しか見えません「今年はあれにしよう!」「これもできるな!」と昨年の反省などなかったように前向きになるから不思議なものです。これは外れ続けたことなどすっかり忘れて新たな宝くじを買い、当選後を思い浮かべて「ニヤリ」と笑う心理と一緒だと最近、気が付きました。しかし、未来は運だけでなく、自分の努力が加わる分「大当たり」の確立が高いのも事実です。どんな一年が待っているのかなんてわかりませんが何故か「大当たり」が来そうな気がします。

新年の始めってどうしょうもなく「おめでたい」時期ですよね。

 松幸農産では年末までに麦の種蒔きを無事に終わることができました。1月からは、本格的に29年産の米作りが始まっていきます。倉庫の奥に眠っていた苗箱や、田植え機を出してきたり土つくりの「鶏ふん」や「より燐」などの土壌改良剤散布していくのもこの時期です。4月、田植えまで一気にスタートダッシュが切れるように積み上げていくのが1月。気持ちを切り替え、一生懸命に新たな米作りを進めていきますので今年もどうかよろしくお願いたします。

 さて、年に一作しか行えない米作り。改善、改良を進めるにもチャンスは年に一回しかありません。家では味噌汁を作る際、今日は薄味だったら明日は濃いめにするなど改良が加えられチャンスも年365日あります。しかし、一作の米作りだと、365回の改良に365年もかかってしまいます。そんなに待てるわけでもないので松幸農産では小さいチャレンジを毎年いくつも行っています。

 そんな一つに「種もみの選別」があります。これは苗つくりに使う種子の選別をより厳しくして選りすぐりの充実した種子だけで米作りを始めようとするものです。現場スタッフの野田君が言い出しました。今までも苗つくりには相当力を入れているし、どこにも負けない完璧な苗を作っている自負があります。「そこまでやるか?」と思いつつも勢いに押されて「じゃあ、2枚の田んぼだけ」と全体の1%にも満たない面積でもやってみることにしました。いくつもある挑戦と失敗の一つとして、仮に「何も変わらない」という結果だとしても、その積み重ねに意味がある。そう考えてのことです。

 収穫も終わり、非常に満足のいく結果でした。収穫が多く、粒張りがよく、食味も良い。全て良しです。「では、来年から全てこの方式に変えてしまおう」そう言いたいですが、でもそうならないのが農業です。それは良い結果の根拠が正確に把握しきれないからです。収量で考えれば分かりやすいでしょうが、沢山収穫できた分、土中から栄養分を多く持ち出しているはずです。それが次年度の生育にどう影響するか。次の年も、その次の年も同じように収穫できるのか。更にはもし冷夏なら。収量減の原因が前年の多収なのか、水温なのか、日照なのか・・・。今までの経験上、因果関係は推測できますが、その推測の正しさを確認できるのは来年以降です。今はまだ、「より厳しく選別すると良い米が沢山とれた」という一回の経験と仮説を積み上げた段階でしかありません。年一回の米作りでこれから何年も、複数の田で経験していく先に次の改善、改良、更にその先に成功と失敗が待っています。「答え」を求めて小さなチャレンジを積み重ね1年1年を超えるのです。

 種子選別の提案はなかなか良いアイデャでした。「良い種=良い農産物」ですが、今回の結果である「さらに良い種=さらに良い農産物」は現状に満足していた私には考えが及びませんでした。本当に人の話は聞くべきであり、野田君の情熱を無駄にしなくて良かったです。

 新しい年度になり、新しい米作りが始まりました。また一つ新しい改善、改良を加えます「何も変わらない」という結果なら楽に続けていけますが、一つ進むと次の苦労が始まります。でもそれが農業の面白さでもあるのでしょう。この1月から本格化する29年産の米作り。選別種子は少し多めにやってみますし、酒米の作付も少し増やしてみます。その他も少しずつチャレンジを増します。チャレンジする農業。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

                    農業生産法人 松幸農産
                          代表 松田 丈輔

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