あぐり新聞 9月号をお届けいたします。
長い文章ですが読んで頂けましたら嬉しいです。
あぐり新聞 9月号
皆様へ
まだまだ暑い日が続きますが皆様いかがお過ごしでしょうか。
松幸農産では収穫が始まりました。
髪を切るバリカンのようにコンバインが稲をザクザク刈っていきます。
轟音をたてながら稲を刈り取っていくと隠れていた虫やカエルが
一斉に逃げ出し畦に避難します。
それを狙って鳥が一斉に田んぼに舞い降り、いつも変わらない
収穫時期の田んぼの風景です。
今年も立派に実ったお米がたくさん収穫でき生産者として
これほどの喜びはありません。
少しでも早く食べて頂きたいので収穫した次の日にはどんどん
お米を発送していきます。
皆様のお手元に送られてきた今年のお米はいかがでしょうか。
私は最近疑問に思っているのですが、日本の食糧自給率が
40%なのは置いておいて地球の自給率はどうなって
いるのでしょうか。日本で食料残渣が問題になっていますが
敢えてその問題も置いておいて地球人類は自給率100%を
達成しているのでしょうか。
アフリカで飢餓のため死んでいる人のことを考えるとおそらく
地球自給率は100%ではないのかも知れません。
今後、人口爆発が予想されて地球人口が90億人になろうと
している前の50億人の段階で100%でないとすると今後の
お先は真っ暗です。
近年、輸出国が農産物輸出の禁止や関税引き上げなどをしている
現状を考えるとこれからの時代、食糧危機はやはり現実として
捉えるべき問題です。
そんなことを考えていると先日、行政から「農業の実態調査」と
称した「減反のお願い」に職員が数人こられました。
いつものようにこれからの農業や松幸農産の方向性などひとしきり
説明して、それが如何に間違っているかの説明を受けて全く
かみ合わないまま2時間が経って帰ってもらいました。
食糧危機の時代が来る前にお米を作ってはいけないという矛盾に
答えを見つけておかないとこの先大変なことになります。
そんなことを考えながらも仮に完全な自由貿易になれば日本の
農業は破滅するし、農地は荒廃し日本の自給率も地球の自給率も
下がってしまいます。どうすればいいでしょう。
ひとつ考えてみました。こういうのはどうでしょう?
農産物の物々交換です。

日本は温暖で雨も多く、土壌も粘土質なので米作りに適し、
平均的に1000㎡当たり8俵のお米が生産できます。
逆にお米作りに適した風土は「麦」にはむいていません。
根腐れをおこして、私たちの地域なら3俵の収穫で2年くらい
農地を休耕する必要もあります。
日本でバナナは作れないでしょうし、以前考えたトマトの
温室栽培も不向きです。ならばいっその事、適地適作の原点に
戻って得意分野に特化していけばよいのではないでしょうか。
日本で仮に食糧危機の時代が来れば可能な限り農産物を
増産しようとするはずです。
山間でそばを作って、丘陵地で麦を作り、平地で米を作って
海岸線でみかんを作り、沼でレンコンを作るといった具合です。
同様にフランスで葡萄を作り、スペインでオリーブを作り、アメリカで
トウモロコシ、カナダでメープルシロップ。得意分野の生産力を
上げてまず地球食糧自給率を上げます。
その上でカロリーベースか栄養価ベースで農産物の物々交換を
する。
例えば日本では米は余っていますがフィリピンでは米が
足りません。日本でバナナは作れませんがフィリピンではバナナを
輸出しています。それを量ではなく、栄養価で交換してしまうのです。
お金が絡まないのでフィリピンではバナナの値段でお米を食べて
日本ではお米の値段でバナナを食べる。
農産物価格はその国の物価で決まり国際的な相場に左右されません。
国際相場で取引したほうが儲かるとしても物々交換の関係を裏切ると
食料危機の時代に交換すべき農産物が手に入らない。
そんな物々交換の関係を数ヵ国で始めて徐々に増やしていきます。
そうすると物々交換をしているグループにあればグループ内の
自給率は上がるので日本も40%をはるかに超えていきます。
それでも100%には届かないでしょうから次に土地はあるけど
農地のインフラが整っていない国をグループに入れて技術移転や
投資をしていく。その国で適作の農産物が増産できれば物々交換を
進めていく。最終的には世界中で物々交換をして地球の食料自給率を
100%にしていけるかもしれません。
世界をひとつの国として捉えれば適地適作を進めるしかなく
最大限食糧を増産するしかない。
日本で現状のまま、食糧危機を迎えると農産物は国の統制品と
なるはずですからその時は個々の農家や私たち生産者がなにを
言っても生産品目は指定されます。
物々交換で統制されても結果は同じです。
戦争の原因は昔から食糧と資源の奪い合いですから食糧問題が
戦争の火種にならなくなるかも知れません。
食糧問題は実際は日本の食糧自給率が問題ではなくて地球の
食糧自給率が問題です。
行政から「日本のためにお米を作らないで」と言われるより
「世界のためにお米を作って」と言われたほうが俄然やる気が
出てきますし、世界中の生産者が使命感をもって生産に邁進
するのではないでしょうか。
そんな時代が直ぐそこまできているのかも知れません。
無事に収穫の時期を迎えて農産物を収穫できる喜びは
私たち生産者のお財布が膨らんでホクホクしている部類の
ものではなく、この一年私たち全員が生きていける喜びで
あってほしいと思います。
今後、収穫できたお米が食べて頂く方々の健康や命と
なって今後もずっと続いていくように願ってやみません。
農業生産法人 松幸農産
代表 松田 丈輔
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