2017年9月 5日 (火)

あぐり新聞 9月号

とれたての新米をお届けしています。

皆様へ
 暑さが残るこの時期ですが皆様いかがお過ごしでしょうか。松幸農産では待ちに待った収穫期がやってきました。最後の最後に長く居座る台風が来てしまったので、一時はどうなることかと思いましたが、幸いにも倒伏などの被害も軽微で無事に進めることができそうです。「空梅雨の年は秋の長雨」 近所のおじさんから聞いた言葉が当たっていないことを祈りながら9月中旬までどんどん刈取りを進めていきます。一年に一番お米が美味しいこの季節。適期刈り取りの、収穫したてのお米を届けるべく、松幸農産ではスタッフ一同、フルスロットで頑張っています。 

 さて、この件は書こうかどうか迷いました。ですが、妻から「悪いことをするわけではないので問題はないでしょう」と背中を押されたので書くことにします。

 実は我が家では「生協の宅配」を利用しています。会員の一人です。ある日妻から「生協のカタログと一緒にこんなチラシが入っているよ」と声がかかりました。「お米のご寄附をお願いします。社会福祉協議会」 内容はこうです。地域に生活困窮者がいて収入が十分でなく食糧確保もままならない方々がいる。そういった方々を対象に、1日2合(最大5日分)を上限にお米を提供したい。そのためお米の寄付を募っています。

 読んだ瞬間に「ああ、これは自分たちがやるべきこと」と思いました。農業を通じて、食の大切さを知っているつもりですし、自分たちが作るお米が「生きる糧」であってほしいと思っています。収穫期はそういった気持ちを一番強く持つ時期でもあります。大したことはできなくてもできることだからやるべき。 そう思いました。

 ただ疑問も浮かびます。はたしてこの国でこんな身近に、こういった状況があるだろうか。また、一日2合のお米を5日分配布するだけで、いったい何の役に立つのでしょう?その疑問を社協に電話で聞いてみました。答えはこのようでした。生活困窮者には生活保護制度があります。しかし、生活保護とまでいかずとも日々の食に困っている人が相当数いる。たとえば昔からの持ち家に住む高齢者。精神障害で動けない母親。DVで逃げ出してきた人たちなど。生活保護の支援外であったり、どうしても受けたくなかったり、誰にも何も訴えることのできない人がいる。もちろん、そういった方々への行政支援もあるのですが社協職員が巡回していると今日たった今、食べるものがない人がいて、とても支援を待っている状況にない。そういう人にすぐにお米を提供できるようにしておきたいそうです。やっぱりお米が一番なのでしょう。

 でも自分たちにどれだけのことができるのか?正直、支援に全財産を投げ打つことはできないし、継続して支えていくだけの気概も持ち合わせておりません。「中途半端なら止めておけ」と心のどこかで思いもするのです。」

 正直に書きます。提供すると決めたのはお米5俵(300㎏)です。何千俵も収穫してたったのこれだけです。機械を修理して肥料を買って、従業員みんなのせいかつもあって。一生懸命考えた結論です。不甲斐なさや葛藤や、自分の偽善への疑いや受けるかもしれない批判の声。そうしたことを差し置いてただできることをしました。

 いつも思うのです。農業の価値は食べ物を作ること。それが食べる人の血となり肉となる。命をつなぐたった一つの手段です。私達はそういう大事な仕事を任されている。そうであるならそういった取り組みはやり過ごすことはできない。 と考えました。

 できることならこの秋の収穫が一人でも多くの方々の喜びになることを。自分たちの泥臭い汗が命をつなぐ一助になることを願っています。このお米を食べて下さる皆様が、健康で元気でお過ごしであることを心から願っています。

                           農業生産法人 松幸農産
                                 代表  松田 丈輔

ランドンへ
 産官学連携の日本酒プロジェクトを今年も継続しています。昨年のパリに続き、今年はロンドンに行きます。今回はお酒だけでなく松幸農産のお米も持っていくことになりました。まだ次にどんな展開が待っているのかわかりませんが、いい話になれば新しい展開も開けてきます。遊びなしの弾丸ツアーですが非常に楽しみです。

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2017年8月 4日 (金)

あぐり新聞 8月号

皆様へ

 残暑厳しい折ですが皆様いかがお過ごしでしょうか。この1か月で田んぼの風景も随分と変わりました。7月の初旬は一面、緑の草海原でしたが、8月上旬からは薄緑の未熟な穂が広がっています。これからどんどん穂が充実して、頭が垂れ黄金色に染まっていきます。雨不足で悩みぬいたこの一年、耐え抜いて旺盛に茂った稲穂。収穫がついに目前に迫ってきました。

 ところで皆さん、SNSはご存じですか。ソーシャルネットワークサービスの略ですね。私もうまく内容を説明できないのですが「つながりを作るためのツール」というように思っています。フェースブック、インスタグラム、ツイッター、ラインなどなど、これらを通じて個人間、企業間もつながりを持っています。私自身、未だスマホを持たず、ガラ携派ですが、松幸農産ではSNSを活用しようということになりました。

 先日、みんなで話し合っている時に「松幸農産もSNSを取り入れたらどうだろう?」という意見が出てきました。「もっと松幸農産を知ってもらえれば、もっとお客さんが増えるのでは?」という考えがスタートです。松幸米を食べて下さる方々、とりみそ家、しあわせ家に来て下さる方々、どんどん増えていけば嬉しいことです。聞くところによると費用は全くかからないとのこと。トランプ大統領のツイッター攻撃や、お笑い芸人のインスタグラムなどテレビでも話題です。「何か面白そう・・・」と思ってアイディアを出してもらうことにしました。

 「LINEで繋がって・・・」 「インスタグラムは少し・・・」 「フェースブックならうまく・・・」「今はツイッターが・・・」 それぞれのメリット、デメリットを話し合って議論は尽きるともなく続いていきます。私はというと「???」半分も理解できません。いったい何を言っているのでしょう?少しは知識があると思っていたつもりですがお手上げ!!これが正直な感想でした。

 「わからないけど要するに何をするの?」と私。「ですから、インスタグラムなら・・・」と堀口君。「僕はLINEを始めようと・・・」と寺谷君。同じ迷路に入ってしまいます。「その違いはいいから要するに何をするの?」もう、いい加減にしてほしいと思い始めています。そこで東さんから一言。「要するに写真を撮って、短い文章を書く、それだけさ!」ああ、そうなのか。これで少しわかった。聞けば日々の松幸農産で起こったことなどを紹介していくそうです。

 そこで次の疑問がわきます。「それでどうしてお米を買ってくれたり、お客さんが来たりするの?」と私。「いいねを押してくれると・・・」「友達に拡散して・・・」 システム的な話にまた混乱してきます。なかなか要領を得ません。そこで東さんから再び一言。「これは宣伝広告になります。それはいいこと」

 そんなこんなで松幸農産ではフェースブックを始めます。稲の成育状況だとか、松幸農産で起こったこと、イベントやお得情報などをタイムリーに出していきます。なにぶんまだまだ手探りでルール作りも同時に行ったりで歩みは遅いかと思いますが新しい取り組みとしてやってみます。少しでも松幸農産のことや特にそこで働くスタッフの頑張りを感じていただければ嬉しく思います。そして、そこから少しでもお米を買って下さる方が増えればやはりうれしく思います。是非見てください。

  http:/www.facebook.com/korekara.jp/

追伸

 今回は自分の不勉強を恥ずかしく思っています。時代の流れに乗れてないことも反省です。しかし、一方で私が知らなかったことを、松幸農産のみんなが考えてくれて、実際にやってみようとしてくれる姿が嬉しく思いました。一人の力はたかがしれてますものね。

                      農業生産法人 松幸農産
                             代表 松田丈輔

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2017年7月 4日 (火)

あぐり新聞 7月号

皆様へ

 いつの間にか夏本番に入りました。皆様いかがお過ごしでしょうか。松幸農産では無事に麦の収穫を終えることができました。途中、走行中のコンバインのキャタピラが突然切れたり、雑草が生えてしまい刈り取れなかった圃場もありましたが、総じて収穫は順調で「第2農繁期」と名付けたこの忙しい時期を乗り切ることができました。これからは米に全力投球し、秋の収穫まで突き進むのみです。

 「変だな?」と思ったのは4月下旬ころです。順調すぎる田植えに喜んでいましたが一方で崩れない天候に何とも言えない違和感もありました。「でも6月に入れば梅雨だし、自然と雨も降るだろう・・・」と安易に考え作業を進めてきました。しかし田植えが終わり、麦刈りとなって、更に麦刈りが終わっても雨が降りません。なんだか秋のように埃っぽくて、畑は見事に乾ききっています。ジメジメと感じることもなく、朝夕は肌寒く感じることも少なくありませんでした。「これは変だぞ・・・」 

 予感が実感に変わり、今年の異常さが際立っています。10Kmほど離れた地域では、すでに3週間も農業水路に水が流れてきていないそうです。農業ダムの貯水率が5%を割り込んでしまい、放水する水がありません。貯水率が40%に回復するまで流さないようで、このままでいくと全滅することはなくても大幅な減収が避けられないと予想されています。実際、見に行ってみましたが苗は元気そうでも地面は白くひび割れてみているのが苦しいほどです。おそらく今後、少々の雨が降っても、山全体が乾いているので農業ダムに水が到達するまで相当の雨量がないと回復は難しいと感じました。長くこの仕事に関わっていますが、この地域でこの状況ははじめてです。

 ところ変わって、松幸農産の地域はどうかといいますと、そこまで激しくありませんがやはり水不足です。24時間流れるはずの水路は夕方には節水のために止まってしまい、それ以降は流れません。朝、上流から取水していくとして、水路の水が下流に到達するころは水が止まってしまいますので近くの小川でポンプアップした水を、長いホースで引き入れたりして凌いできました。6月中は何とか、そうして水を保持していますがこれもいつまで可能か?・・さらに言うと中干しをする6月と穂がはらむ7月では生育上の水の重要度が違います。このまま7月になって、例年程度の雨量では足りず、田は干上がってしまい被害も甚大になるかもしれません。

 天候勝負の農業であるとわかっているものの、ここまでの水不足は予想すらしていませんでした。今はダム以外にも、農業用の貯水池が整備されていますし、水路のパイプライン化が進んで、10年前と比べても水の便はとてつもなく向上しています。それでもこの状況です。異常さがご理解頂けるでしょうか。おそらく灌漑設備が整っていない時代なら飢饉になるレベルです。何とかまとまった雨がほしいものです。今年の命運は、この7月が握っていることに間違いありません。

                              農業生産法人 松幸農産
                                   代表 松田 丈輔

「三ツ星マイスター」取得!!

 松幸農産の堀口君が「お米マイスター三ツ星」を取得しました。お米マイスターは、農業の生産現場の資格ではなくて、お米の博士号と言われ、収穫後のお米の専門知識(様々な品種の特性や、鮮度を保つ方法、美味しいご飯の炊き方など)の資格です。現場外の資格なので少し系統が違うため相当に勉強しないと取得できません。私の周りを見回しても、お米マイスターとなった生産者は見つけられないほどです。堀口君は農産物検査法の検査員の資格もあるのでこれで二冠達成! 今後はお米マイスターの知識を生産現場に活かして今まで以上に喜んでいただける米作りを目指すそうです。期待の星です。

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2017年6月 2日 (金)

あぐり新聞 6月号

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皆様へ

 6月に入り雨の季節になりました。皆様いかがお過ごしでしょうか。今年は4月の田植え以降、ほとんどまとまった雨が降っていません。「あれ?そういえば・・・」と感じられるのではないでしょうか。パラパラと降る小雨は数回ありましたが水たまりができるほどの雨は一日しかありません。お米を作る私たちにとって、雨が少ないことは死活問題なので本格的な水不足になる前にまとまった雨がほしいところです。一方で麦の刈り取りが6月1日から始まりましたので逆に晴れの日が続かないと、それはそれで苦しい思いをしてしまいます。願わくばドカッと雨の降る日が3日ほしいところです。欲を言えば、それ以外は晴天だと麦の収穫が進んでありがたいものです。埃っぽい乾いた地面を見るとついついそんなことを考えてしまいます。自然相手の農業ですから考えても仕方のないことですが、今年は本当に雨が降る日を待ちわびています。

 さて松幸農産では5月中旬に無事に田植えを終えることができました。雨が少ない年とはいえ、数年前に作られた大きなため池とパイプライン化によって、苦労はしたものの順調に進めることができました。ただ、順調にいきすぎるのも考え物で、逆に私としてはがっかりすることが実は3つもでてきてしまったのです。

 まずは田植え機です。松幸農産では常時3台所有しています。本当は必死になれば2台でもなんとかなるのですが、スケジュールが遅れ始めると2台では絶対に追いつくことができません。どうしても3台が必要になります。実は昨年の田植え終了間際に長年使った1台が完全に壊れてしまい今年は新車を導入しました。「これで今年は大丈夫!」  されど幸いなことに待てど暮らせどスケジュールは遅れてきません。田植え中に何度もある大雨も大風もなく、結局2台で全てを植え終えてしまいました。無理して買った田植え機。結局倉庫の中で日の目を見ることなく、来年のデビューっを待つことになりました。一年先でも良かったが・・・・。

 さらにトラクター。常時4、5台所有しています。小数点以下0,5台とは20年以上使っている「おじいちゃんトラクター」で常時稼働している4台に何か故障があった場合だけ助けてもらうことにしています。今年は5月初旬の折り返しを過ぎた段階で常時稼働している4台のうち1台が上がってしまいました。今まで順調に進んでいるとはいえ、あと半分も同様とは限りません。「何とかすぐに修理してよ」とクボタさんに頼んでも「ここまで来るともう無理です」との答え。泣く泣くトラクターも新車に。

 極めつけは苗の生育です。田植え作業が順調なのは良いですが順調すぎると、スケジュールがどんどん前倒しになってしまい苗の生育が追いついていきません。一見、若葉が伸びて、立派な苗に見えますが大切なのは根の張り具合で、根が発達していない苗は、植えても地面を掴み切れずに流れてなくなってしまいます。

 残り一週間まで来て苗が成長するまで2日も作業を止めることになりました。でもそれなら何もトラクターを買わなくても・・・何とか動く3台で作業を進めればよかったじゃないか・・・「発注前までもどりたい・・」そう願っても後の祭りです。疲れがたまっていたスタッフは休めることにほっとしていましたが、彼らを横目に私一人が涙目でした。

 天候勝負の農業だけにどんな状況にも対応できるよう準備することは大切です。ただそんな準備も結果として無駄になる。順調にいって嬉しいはずが逆に何故か悲しくなる。こんな状況もあるんですね。考えもしませんでした。せめてこのまま天候に恵まれ、方豊作になることを祈るばかりです。

                           農業生産法人 松幸農産
                                代表 松田丈輔

酒米の件

 産官学連携日本酒プロジェクトについて今年も酒米の田植えが無事おわりました。その場で大学の先生が「今年はロンドンに行きましょう!」と言われました。プロジェクトに携わった人、一人、一回の海外訪問と言っていたので「私はフランスに行きましたが・・・」お断りしたのですが「やはり松田さんに来てほしいのです」と嬉しいお言葉。誰かに断られての人数合わせであることは重々承知しているのですがつい引き受けてしまいました。「NOとは言えない気の弱い松田さん」なんてことになるのかなあ・・・

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2017年5月15日 (月)

あぐり新聞 5月号

あぐり新聞 5月号

皆様へ 

 春の陽気が続く気持ちの良い季節ですね。皆様いかがお過ごしでしょうか。5月の松幸農産は田植え作業の真っ最中です。今年は晴天が多い分、上からの太陽と下からの田面からの照り返しで2倍の直射日光を浴びているようなものです。スタッフの中には日焼けを気にする派と無頓着派がいて気にする派は顔が真っ白になるほど日焼け止めクリームを塗り、防御は万全。無頓着派はそのまま真っ黒に日焼けしていきます。どうやら若者と老人が気にする派、中年は無頓着派といったところでしょうか。白人と黒人がいるみたいな感じで何となくインターナショナルな松幸農産。5月中旬の田植え終了を目指して今日も一生懸命走り回っています。

 さて、順調に進む田植え作業ですが、進めば進むほど苦しくなっていきます。稲刈りなら、刈り取った田はとりあえず放っておいて次々と作業を進めるだけでよく、全ての稲刈りが終わってから収穫後の作業が開始されます。逆に田植えは、植えたそばから管理を始める田んぼが日に日に増えていくことになり忙しさが増します。そのため田植え時期と言っても4月と5月では状況が同じではありません。

 誰しも最初は気持ちよく仕事を進めたいものです。松幸農産も同じで田植えがスタートするのは自社センターの近くから。水も豊富で大きな田んぼが多い地区から作業を進めます。こういった地区は管理も容易でそれほど苦労することはありません。更に近所であり、地元に事情に詳しい方が応援に来てくれますので殆ど心配せずお任せです。「あの田んぼを植えたから後はよろしくお願いします」と一言言えばあとは例年通りきちんとした管理をしてくれます。4月はトラクターも田植え機も、自分たちの仕事に集中でき、面積もどんどん進んでいくので頑張りがいのある時期と言えるでしょう。4月は「幸せな時期」と言えるかもしれません。

 しかし5月に入ると田植えは不利な条件の田んぼへと広がっていきます。一つには遠方で能率が上がらない地区を後回しにしていること、山間部の沼田に最初から行きたくないこと、地縁が弱い地区で手伝ってくれる人を見つけられないことなど理由はいくつかありますが、後になればなるほどどうしても人手不足で管理作業に手が回っていきません。そのため、管理に代掻きチームから一人、田植えチームから一人と人が移動していき、進めたいはずの田植え作業が遅れていきます。もちろん、この状況を見越して作業ペースが緩やかになるスケジュールを組んでいるのですが、田植え後のように全員が管理に回っていない同時並行の期間ですので一人の作業負担も大きく、厳しい状況が続いていくのです。ここにスケジュールの遅れが加わるとどんどん伸びる苗を横目に焦りに焦って心がささくれだっていきます。そうならないことを祈るばかりです。

 とはいえ、今年は天候が味方してくれています。大風、大雨の荒れた天気はなく適度に雨も降りました。順調に進んでおります。田植えが終わればすぐに5月下旬の麦刈りと次の農繁期がやってきまてゆっくりできる期間はしばらくありません。梅雨には他面の溝掘り、雑草取り。夏が来れば田んぼの草取り、麦後の田起こしと次々と仕事は増えるばかりです。しかし今からのシーズンは農業生産者が最も充実し、農産物を育て上げるシーズンです。全力を出してより良いものを作っていきたいと思っております。

                        農業生産法人 松幸農産
                               代表 松田 丈輔

ごぞんじ?田植えダイエット!!

 私の個人的な話ですが、冬の間に3Kほど太ってしまいました。田植え期間は重労働が続くのでこれを機に食事を減らせば痩せられるかと思い「田植えダイエット」を始めました。結果は2日で挫折です。初日は夕方からふらつき始め、2日目の夕方には立っていられなくなりました。「これはいけない」とダイエットをあきらめて3日目からはしっかり食べるようにすると疲れ知らずで頑張れました。食べるからこそ元気でいられる。そんな当たり前のことを今更自分で証明してしまいました。

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2017年4月10日 (月)

あぐり新聞 4月号

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皆様へ

 いかがお過ごしでしょうか。松幸農産では、冬の間に行う作業がすべて終えて田植えシーズンに突入しました。田植えでは大きく4チームに分かれて作業を進めます。一つは、田んぼの均平作業を行う「代掻きチーム。トラクター4台と水入れ2名の6人で構成します。二つ目が「田植えチーム。田植え機3台、手元3人、苗の運搬1人の7人での構成。三っ目の「育苗チーム」が2人。ぶどうハウスの管理も兼務です。四っ目が「草刈りチーム」で4人。他にも田植え後の水入れを手伝ってくれる近所の方々、雑務を手伝ってくれる用務員さん、精米と発送を手伝ってくれる事務員さんと、総勢30人ほどがこの時期の田植えに関わってきます。全員がそれぞれの役割をきっちりと行ってこそ松幸農産の田植え。誰ひとり病気も怪我も事故もなく進めていき、29年産のスタートを切りたいと思っております。ぜひとも松幸農産を応援してください。宜しくお願いいたします。

 さて、先日、近所の知人から電話がありました。「苗箱が大量に余っているけどもらってくれない?知り合いから頼まれたのだけど・・」ご存じの通り、育苗用のプラスチック製の苗箱です。長年使っていると、どうしても割れたりして減っていくのですが、枚数が多いとなかなかの高額で、ここ数年は既存の苗箱を使いまわして乗り切ってきました。それが無料で頂けるというのです。「それは助かります!!」すぐに見に行くことにしました。

 近所で待ち合わせて、苗箱のある倉庫に向かうのですが、「あれ?」とおもいました。その倉庫の方は知っています。実家に帰って農業を始めたばかりに頃、「畦草を刈るのが遅い」と散々怒ってきた方の倉庫です。(今でもあの恐怖は忘れられません)20年前に60歳くらいでしたので、もう、80歳は過ぎておられるでしょうか。聞けば、もう何年か前に農業を辞めて一日中家にいるけど一人で外に出ることはないとのことでした。

 雑草の多い小道を抜けて、シャッターのない倉庫の前に立って言葉を無くしてしまいました。「荒れ果ててしまっっている・・・」 

何というかそこだけ過去の世界に来たような、またある瞬間に時間が止まってしまってようにしか見えません。パンクをしたトラック、埃をかぶった農機具類、天井には鳩が飛んでいます。物が置いてある場所はバラバラで足の踏み場もありません。ある瞬間にとりあえず大急ぎで倉庫内に入れて、そのまま時間が流れて忘れ去られたようです。呆然としている私に知人が教えてくれました。「何年か前にいきなり倒れてな。その時からそのままになっているらしい・・・」

 「ある日、農業ができなくなるとこんなになるのか・・・」
ドンと心に突き刺さります。今まで何件もの農家さんから田んぼを借りてきて、でも借りた後の倉庫を見ることはありませんでした。誰にも引き継がれなかった農業の迎える結末がこんなふうになるなんて・・・喜び勇んで苗箱をもらいに行ったはずなのに何とも残念な気持ちになりました。

 気を引き締めていかなくてはなりません。すでにたくさんの農家さんの農地を借りて松幸農産は耕作しています。しっかりと農業を続けていける体制作りがとても大切だと思いました。これからも農地とともに、農家の人たちの思いも受け継いでいきたいと思います。

                        農業生産法人 松幸農産
                               代表 松田 丈輔

~米袋の刷新~

 長く使い続けてきた写真の米袋ですが、この度新しくしました。愛着のある原点のような袋でしたが、袋に移っている両親はすでに農業現場におらず、事実と違うため新しくしました。より温かみとはなやかさを重視して作りました。これからもよろしくお願いいたします。

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2017年3月10日 (金)

あぐり新聞 3月号

皆様へ

 ポツポツと雑草も生え始め、春の訪れを感じるこの頃ですが皆様いかがお過ごしでしょうか。松幸農産では田植えの準備が着々と進んでおります。1~2月にかけて土つくり(鶏フンの散布など)も順調に進みましたし、新築のビニールハウスも完成し威風堂々と輝いて見えます。きれいに耕うんされた田んぼも藁の腐食も終わり、すぐにでも田植えができそうなところまで来ることができました。3月はいよいよ種蒔きと育苗が始まってきます。きれいに選別された種子、高性能のハウス、スタッフの健康状態もバッチリ!!機械の古さに若干の心配はあるものの例年以上に完璧な準備ができました。しかし私たちにできることはここまでです。あとは3月に適度な雨が降り、気温も上がるかどうか。こればかりは天命に任せるしかありません。「今年は絶対大丈夫だ!」 何の根拠もない自信だけを胸に、4月からの田植えになだれ込んでいきます。気分も上がって楽しみです。

 さて、昨年の春から何度か報告させていただいた「酒米プロジェクト」 今回が最終章です。実はフランスに行ってきました。当初、軽い気持ちで受けた酒米作りも途中から行政が入り話が大きくなって、産官学連携事業になっていったことは書きました。田植え祭りや醸造祭、記者会見などなどと続いて、どうやら最後は海外でのプロモーションみたいな計画になっていったようです。なぜフランスかと聞かれれば困ってしまいますが、私としては「頼まれたから・・・」という表向きの理由と、強烈に「行ってみたい」と言う本音もあり、ともあれ産官学の「産」の代表として行くことになったのです。

 参加者は行政から町長と議長、大学から学長、教授、准教授、ゼミ学生と学生取材班、2人、それにポツンと私です。酒屋さん2社は来られませんでした。フランス行きの目的は、出来上がった日本酒「神都の祈り」のPR.駐仏大使への表敬訪問、フランスにある財団や研究機関との意見交換、会場を借りての現地メディアへの記者発表と現地の人を招いての試飲会です。

 大使と話したのは殆ど町長と学長です。当然ですね。末席の私に機会はありません。・・・が「何か話さなくては・・・」と周りの空気を無視して、フランスでの日本酒の認知度みたいなことを聞きましたが「需給のミスギャップ」とメモに書かれている以外、舞い上がって詳しく覚えていません。でも、最後に「こんなにきれいに産官学の3者が来ることはまずないので、スッと理解できました」と言って頂けましたので少しは役に立ちました。意見交換会では、先生方の研究の紹介が主で、何の話かまったくわかりません(自己紹介はしました) 動物考古学を研究されている日本の方が気を利かせてくれて農業をしている私に「弥生時代における牛と水稲の関係」について話を振ってくれましたがトラクターで農業をしている私との話は合いませんメインの記者発表と試飲会ですが、準備段階では通訳や会場関係者と打ち合わせする町長や先生方を見て回るばかりで「少しでもお手伝いを・・・」と思ってもなかなか役割が見当たりませんでした。本番になっていきなり通訳の人にマイクを渡されたのでPRとして「このお酒だけのために、特別に作り上げました」といった内容を簡潔に発言しました。以上です。

もっと松幸農産をPRしてこい!!」と叱られそうですが、どうしても脇役的な位置付ですので今回は仕方がないかなと。来年も行くことになれば、準備もしっかりして「松幸さんが来てくれてよかった!」と言って貰えるようにしたいと思います。

 しかし今回は本当に新鮮な思いで行ってきました自分だけでこれだけの備えをしようと思っても簡単にできるものではありません。聞けば、それはやはり信頼性や人とに繋がりがあってのことでしたが田舎の一生産者ではここまで無理です。「見習うことが多いな」と思うと同時に「こういった繋がりも大事だな」と思いました。お役にたてなかったけど、私にとっては気づきの多い訪仏でした。ご一緒させていただいた皆様には本当に感謝です。

                       農業生産法人 松幸農産
                              代表 松田 丈輔

 「観光はないの?」そう聞かれれば、行程上ほとんどありません。バスの移動時に凱旋門やエッフェル塔近くの撮影スポットで写真を撮るためだけに停車する感じです。仕方がないので夕食後ホテルに戻って「おやすみなさい」と皆さんに言った後、歩いて凱旋門へ。次の夜はタクシーでエッフェル塔へ、朝、「あはようございます」という集合前に地下鉄でノートルダム寺院へといった具合に、一人で観光もこなしました。皆さんクタクタでしたが私はぴんぴんです。こういう時、農業で培った体力があると本当に助かります。

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2017年2月 2日 (木)

あぐり新聞 2月号

皆様へ

 2月も引き続き、非常に寒い日が続きそうですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。2月の松幸農産は29年産の準備で大忙しです。幸い、この寒い冬は晴れの日が多く、風もあまり吹かないので作業のしやすい日が続いています。乾燥鶏ふんが風で近隣に吹き流れることもありませんし、雨に降られて匂いが出る前に、土の中へトラクターで打ち込んでいくことができます。他の土壌改良剤も雨で流出する前に土壌と一体になっていきます。逆に作業が進みすぎるので注文してあった資材の到着が遅く、少し手待ちになることもありました。このまま天気さえ固まっていれば、予定を少し前倒しして終えることができそうで例年以上に田んぼをベストコンディションに持っていけるのではと思っています。田植えの出来を左右するこの2月。 最高のメンバーと最高のチームワークで走り回ります。

 さて、1月にビニールハウスが完成しました。今回は初めてハウス建設業者に依頼したので何の問題もないはずですが、思わぬ失敗と言いますか、行き違いと言いますか・・・。心痛める事態になった話をしたいと思います。

 20年は使い続けた土にパイプを押し込んだだけのハウスはいたるところで錆始め、谷間の雨どいは乗ると穴が開きそうな状態でした。「もう、限界でしょう」と思ってから5年は経っていて、このまま何もしないとスタッフの士気にかかわります。この際心を決めてハウスの建設を断行しました。これが昨年の田植え後のことです。数社から見積もりを取って業者を選定し何度か話し合いを持ったのが6月頃でしょうか。収穫までは田んぼに集中したいので工事は10月以降に行うことになりました。更に敷地に準備に時間がかかり、部材の手配にも時間がかかり工事が始まったのが12月。詳細を決めてから半年も経っていました。

 長くなりましたがここからが本題です。

非常に不慣れな私たちと違い、専門業者のの手は早く、きれいにハウスが出来上がっていく様子はさすがと思わせるものです。お任せで私たちも安心していました。ある朝、遠目にハウスを見てみると少し違和感があります。「あれ?いやに透明なビニールだなあ・・・」育苗用のハウスは半透明の白っぽいビニールをどこでも使います。透明だと苗が焼けてしまうからです。目の錯覚か?光の加減か?10mまで近づいてもやはり透明。「「いったいどうなっているのか?」すぐに担当者に電話しました。「私には透明に見えますが、これは気のせいですか?」嫌味ではなくまだ信じられなかったのです。担当者いわく「いや、半透明ですよ。そう指示しましたから間違いありません。」注文が間違っていなかった事にまず安堵しつつ「どう見ても透明に見えるのですが・・・」「いや、そんなはずありません。けど確認します。」電話を切って3分後「松田さん、すみません。間違えました。すぐ張り替えます。」張り替えると言っても1800㎡(50坪)の大きなハウスです。ビニールは特注で安いものではありません。すごく気の毒になりながらも、こればかりは代案もありません。「申し訳ありませんが張り替えていただけませんか。」納期が遅れることに平謝りの担当者にそういうしかありませんでした。

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 思えば、担当者と話し合ったのが半年前。複数回の修正で書類も増えていました。どこかで漏れがあったのでしょう。わたしも大事な時にタイミング悪く不在で気づけず、スタッフも「あれ?」と思った時は出来上がっていました業者さんの手際の良さがアダになってしまったようです。ただただ気の毒でしかありません。

 どうしてこうもいろいろなことが起こるのでしょうか?。しかも新年早々に・・・冒頭にも書きましたが今は非常に順調に言ってます。今回の件は思い出話が増えたとしましょう。今年もまだまだ何か起こりそうですね。29年は波乱含みでスタートしました。

                        農業生産法人 松幸農産
                              代表 松田 丈輔

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2017年1月10日 (火)

あぐり新聞 1月号

明けましておめでとうございます。

本年もよろしくお願い申し上げます。

皆様へ

 新しい年がスタートする1月。皆様いかがお過ごしでしょうか。年末、年始とゆっくりされましたでしょうか。何の根拠もありませんが、新しい年を迎えるとなぜか明るい未来しか見えません「今年はあれにしよう!」「これもできるな!」と昨年の反省などなかったように前向きになるから不思議なものです。これは外れ続けたことなどすっかり忘れて新たな宝くじを買い、当選後を思い浮かべて「ニヤリ」と笑う心理と一緒だと最近、気が付きました。しかし、未来は運だけでなく、自分の努力が加わる分「大当たり」の確立が高いのも事実です。どんな一年が待っているのかなんてわかりませんが何故か「大当たり」が来そうな気がします。

新年の始めってどうしょうもなく「おめでたい」時期ですよね。

 松幸農産では年末までに麦の種蒔きを無事に終わることができました。1月からは、本格的に29年産の米作りが始まっていきます。倉庫の奥に眠っていた苗箱や、田植え機を出してきたり土つくりの「鶏ふん」や「より燐」などの土壌改良剤散布していくのもこの時期です。4月、田植えまで一気にスタートダッシュが切れるように積み上げていくのが1月。気持ちを切り替え、一生懸命に新たな米作りを進めていきますので今年もどうかよろしくお願いたします。

 さて、年に一作しか行えない米作り。改善、改良を進めるにもチャンスは年に一回しかありません。家では味噌汁を作る際、今日は薄味だったら明日は濃いめにするなど改良が加えられチャンスも年365日あります。しかし、一作の米作りだと、365回の改良に365年もかかってしまいます。そんなに待てるわけでもないので松幸農産では小さいチャレンジを毎年いくつも行っています。

 そんな一つに「種もみの選別」があります。これは苗つくりに使う種子の選別をより厳しくして選りすぐりの充実した種子だけで米作りを始めようとするものです。現場スタッフの野田君が言い出しました。今までも苗つくりには相当力を入れているし、どこにも負けない完璧な苗を作っている自負があります。「そこまでやるか?」と思いつつも勢いに押されて「じゃあ、2枚の田んぼだけ」と全体の1%にも満たない面積でもやってみることにしました。いくつもある挑戦と失敗の一つとして、仮に「何も変わらない」という結果だとしても、その積み重ねに意味がある。そう考えてのことです。

 収穫も終わり、非常に満足のいく結果でした。収穫が多く、粒張りがよく、食味も良い。全て良しです。「では、来年から全てこの方式に変えてしまおう」そう言いたいですが、でもそうならないのが農業です。それは良い結果の根拠が正確に把握しきれないからです。収量で考えれば分かりやすいでしょうが、沢山収穫できた分、土中から栄養分を多く持ち出しているはずです。それが次年度の生育にどう影響するか。次の年も、その次の年も同じように収穫できるのか。更にはもし冷夏なら。収量減の原因が前年の多収なのか、水温なのか、日照なのか・・・。今までの経験上、因果関係は推測できますが、その推測の正しさを確認できるのは来年以降です。今はまだ、「より厳しく選別すると良い米が沢山とれた」という一回の経験と仮説を積み上げた段階でしかありません。年一回の米作りでこれから何年も、複数の田で経験していく先に次の改善、改良、更にその先に成功と失敗が待っています。「答え」を求めて小さなチャレンジを積み重ね1年1年を超えるのです。

 種子選別の提案はなかなか良いアイデャでした。「良い種=良い農産物」ですが、今回の結果である「さらに良い種=さらに良い農産物」は現状に満足していた私には考えが及びませんでした。本当に人の話は聞くべきであり、野田君の情熱を無駄にしなくて良かったです。

 新しい年度になり、新しい米作りが始まりました。また一つ新しい改善、改良を加えます「何も変わらない」という結果なら楽に続けていけますが、一つ進むと次の苦労が始まります。でもそれが農業の面白さでもあるのでしょう。この1月から本格化する29年産の米作り。選別種子は少し多めにやってみますし、酒米の作付も少し増やしてみます。その他も少しずつチャレンジを増します。チャレンジする農業。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

                    農業生産法人 松幸農産
                          代表 松田 丈輔

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