2018年11月12日 (月)

あぐり新聞 11月号

皆様
 
 いつの間にか夏らしさは一掃されて、冬らしさばかりを感じる季節となりました。皆様いかがお過ごしでしょうか。
 今年最後の猛烈な台風は遠く離れていき、昨年のような水害に発展することはありませんでした。「もうこれ以上困らせないで」と、祈っていましたので 今は非常にホッとしているところです。
 松幸農産では11月に入り、小麦の種まきが始まりました。今年の10月は雨も少なく田面が乾いておりますので、例年にも増して準備が進み、いい形でスタートが切れました。逆に 悪天候での作業の遅れを想定して追加装備した機械は、活躍する場面もなく倉庫にたたずんでいます。準備をすると必要が無くて、準備をしないと必要になる。こんなことを繰り返して20年以上が経ちました。そろそろ、このガッカリ感に慣れなくては駄目ですね。
 
 さて、先日役場から呼び出しがありました。呼び出しと言っても何か悪いことをしたわけではなく、とある地域が今後の地域農業を一緒になって考えたいので、地域の生産者に集まってほしいというものです。
そこは 住民が多く農地面積が少ない地域ですが、離農が進んでいて地域の残った農家、大型の生産者など入り乱れて耕作がされています。 松幸農産も古くから借り受けて耕作しているので参加するよう呼び出されました。
 
 当日は 役場職員、県職員、地域の役員さん、生産者と総勢20名くらいでしょうか。話し合う内容も知らないまま指定された席に着きました。会で地域の役員さんが話されます。要約すると、「今後の地域の農地を守っていくのに、何人もの耕作者がバラバラの飛び地で耕作しているのは能率が悪いでしょう。ついては、各生産者が作りやすいように エリア分けを行い、効率化しませんか?」と、いうものです。
 
 言われるとおり、A、B、Cの生産者が10枚の田んぼを作っているとして、それらの田んぼは隣接することなく、バラバラに所在しています。各地主さんの希望(受け手の生産者の好き嫌い、条件、人間関係)によって 依頼先が違うからです。この申し出は私としては嬉しいものです。あっちへ行ったり、こっちから帰ってきたりでは効率とは程遠い。借りている農地が替わるので、今まで取り組んだ土づくりが無駄になってしまいますが、それ以上に今後の数十年間を考えるとメリットの大きい話だと感じました。生産者の何人かは私と同じように感じたはずです。
 
 しかし、そうでない方もたくさんいました。ある一人の方が発言します。「それはいいけど、それぞれ条件(賃料)が違うが、どう調整するつもり?」 すると 「それを話し合いたくて集まって頂きました」と、役員さん。ここが話し合いのキーだったようです。
つまり 農地が移動すると今までと違う生産者が耕作することになる。平等にするためには 条件を一つにするしかありません。でも、実際は賃料もバラバラで、これを統一するには誰かが必ず損(得)をします。その線をどこに設定するか話し合いたかったようです。賃料にはおおよその相場があって、どこも同じような賃料ですが、昔から近所付き合いの中で貸し借りを行っている生産者には また別の相場があります。その差は2倍くらい。この差を埋めることが本題でした。
 「高い賃料を下げて、下にそろえればいいじゃないか」 「それだけだと、地域が納得しません」 「賃料を上げろということか」 「どの程度なら可能か話し合いたいのです」 「そんなことしたら、うちが潰れてしまう」 「だから、歩み寄りを・・・」 「今すぐ排除してもらっても結構です!」と、話は一向に前に進みません。
 そんな中、私はどうしたかと言いますと、ただただ黙っていました。耕作面積は広げたいし、農地集約できれば楽になる。ただ 遠くない将来、今の賃料を維持できないと思っていますし、便乗して 「下げてください」 なんて無責任なことも言えません。また、賃料を上げられない現状をはっきりと理解しています。結局、何の結論も進展もないまま流会となりました。役場の職員さんが、「また話し合いの場を持てれば・・・」と まとめましたが、これは難しいでしょう。
 後日談ですが、地域の役員さんとしては 子の代、孫の代になって作る人がいなくなれば困るから 今のうち作りやすい環境を整えたかっただけでした。賃料の高低は避けて通れないけど、少しずつ着地点を探したかったようです。敢えて難しいことを承知の上で口火を切ろうとした善意なのだと理解しています。でも、難しいですね。
 どういう形がいいのでしょう。私としては、ある程度の規模の生産者が3つくらいで地域農業を守っていく姿が理想だと思います。1つだとリスクが高いし、今のようにたくさんいると競争力が足りません。今後、あるべき姿へと収斂していくと思うのですが、地域の分断が起こらないように合意形成を得て進めるには まだまだ何年もかかります。とにかく農業は時間がかかるものなのでしょうか。
                             農業生産法人 松幸農産
                             代表 松田丈輔
 餅の販売について
12月1日より年末恒例の「お餅」を搗きつき始めます。全て手作りのため待って頂くことや、作り切れず売り切れにすることがあります。できましたら、お早めのご注文をお願いします。
 
 中村さんが新聞で紹介されました。
高校卒業後 すぐに入社した中村菜美さん。今年で26歳になりました。女性ながら農産現場で働く姿が地方紙に紹介されました。なかなか美人な写真に仕上がって、本人はどうか知りませんが、私は非常に満足です。大切なスタッフの頑張りが評価されたようで非常に嬉しかったです。
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2018年11月 5日 (月)

あぐり新聞 10月号

皆様へ
いかがお過ごしでしょうか。
 
 あれほど暑かった夏は遠く過ぎ去り、今となっては「あれは現実だったのか?」と思うほど過ごしやすくなりましたね。松幸農産ではお米の刈り取りも全て終わって、新米の発送や年貢の配達などの仕事をひと段落したところです。10月は荒起こし、もみすり、小麦に播種準備と連続して仕事は続いていきます、収穫が終わった瞬間から、次年の31年産はスタートしますので気持ちも新たに農業を続けていこうと思っています。
 さて、今年は台風に泣かされた収穫でした。収穫前に来た台風20号はぶどうハウスのビニールを吹き飛ばし、ビニールの全面張り替えを余儀なくされました。収穫末期に来た台風21号は、昨年作ったばかりの同じくハウスの鉄骨ドアを吹き飛ばしました。他にも、カーポート、精米所のドア、道路の看板なども吹き飛ばし、近年まれにみる被害です。幸い保険に入っていますので、自己負担の損害は大きくなかったことが救いではありました。
 
そういった大型の台風が、この時期に来るとどうなるか?収穫がどのようになるかをご報告します。
 先の20号はほぼ直撃の台風でした。生育の早いものだけ収穫を初めていましたので、既に刈り取り時期に完全に入っていたのです。迫りくる暴風に激しく揺れる稲穂を見ながら、「何とか耐えてくれ」 と祈るような気持ちでした。朝に出勤して、吹き飛ばされたハウスはさておき、田んぼを見回ってみますと 少し倒れ始めていましたが、収穫に支障をきたすほどではありませんでした。それこそ踏ん張ってくれたのです。
しかし、稲穂は一度倒れ始めるともう元に戻ることはありません。日が経つにつれて、稲穂の重みでゆっくりと倒れていきます。倒状を止められない限り、できることは一刻も早く収穫を進めてしまうこと。その後は 晴れが続きましたので、必死に刈り取りを進めて行きました。
 そんな中で、台風21号は発生しました。「最強」という枕詞がついております。何とか逃げ切ろうと一生懸命作業を進めましたが、どうしても間に合いません。台風当日は安全のため自宅待機でしたが、暴風が家を揺らし、突風が雨戸を叩きつけます。怖くてドアも開けられません。台風は朝から暴風圏に入り、夕方に通り過ぎました。夕方にはまだ強風でしたが、すぐに家を出て松幸農産に向かいます。
強いはずの鉄骨ハウスが飛ばされているのを横目に田んぼを見に行きました。そこにあったのは、もう破滅的なほどに倒状した田んぼの姿です。ぐしゃぐしゃに折り重なるように倒れてしまって、水に浸かっています。
「これ、どうしたらいいんだ?」 とガックリきて、何度もため息が出てきます。自分自身も押しつぶされたような感覚になります。もうできることはありません。
結局、2万平方メートル(6,000坪)程度が刈り取れず、被害額は300万円。もちろん保険なんてあるはずもなく、決して少ない被害ではありません。何とかわずかでも刈り取れないかと努力してみましたが、いつもの何倍も時間をかけて刈り取ってみても出来上がったお米は廃棄するしかない程度のものでした。後日、もみ殻と一緒に土に戻す予定です。
 農業をしていれば自然の驚異なんてあって当然のこと。そうならないために強い作物を育てます。もともと倒状に弱いコシヒカリであっても、根張りを良くし茎が太くなるように育てて、力強い稲へともっていきます。そうして収穫期にくる最悪の台風に対して、1回は耐えることができました。でも2回は難しかった。想定外と言えば、言い訳になるかもしれませんが籾が充実しきった段階ではどうしようもありませんでした。こうして今年の収穫は終わりました。
 今年の経験を来年にどのように活かせるか、まだ答えは出ていません。振り返っても、何が悪かったとは まだ思えないのです。そんな煮え切らないままでも、秋から冬、冬から春へと季節は前に進んでいきます。悔しいけれど、せめて気持ちだけは負けないように次の耕作へ向かおうと思っています。
                                       農業生産法人 松幸農産
                                       代表 松田丈輔
倒れても・・・
 倒状した数日後、稲のすごさを実感しました。水平に倒れた稲の一番下の株の間から次の「苗」が突きだしているのです。稲穂は茶色なのに「苗」は緑色。茶色の田面に田植えの後のように緑色の苗がずらっと並んでいました。しゃんと真っ直ぐに上に向かって。おそらく稲本来の力なのでしょうね。ものすごい生命力です。
コンバインのこと
 思い切って購入した新型コンバイン。エンジンも大きく、とにかく動作がものすごく早いです。旧型と比べて どんどん作業が進んで行きます。例年なら どんなに一生懸命刈り取ってもセンターにある乾燥機が満杯になることはシーズンに数日しかありませんでしたが、今年は ほぼ毎日満杯になりました。
すると自然と帰社も早くなりますよね。これはこれで悪いことではないのですが。肩透かしと言いますか、もっとガンガン頑張れるのに、施設(乾燥機)の都合で仕事を終えなくてはならないのはやはり残念です。もう数日あれば、台風被害も避けられたことを考えると、来年は乾燥機を追加しようか迷っています。よりよく働くために、良い収穫を得られるように。
30年産の品質について
 今年のお米は、夏に高温が続いたため乳白色の粒が散見されます。今年の気候での特徴としてそのようになりました。高性能の選別機を新たに導入し、できる限り入らないように注意しておりますが、完璧ではありませんので 気になられる方も多いかもしれません。
もし、気になられるようでしたら、松幸農産までご連絡ください。すぐに交換させて頂きます。
 

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2018年9月11日 (火)

あぐり新聞 2018年9月号

収穫が始まりました!

皆様へ

 まだまだ残暑とも呼べないほどの暑さと陽射しが大気を支配しています。いかがお過ごしでしょうか。どこかに逃れようとしても、目の前の田んぼに日陰はなく、逆に近づいてくるコンバインの轟音と更なる熱気に軽くめまいがします。異常なほどに暑かった夏を乗り越えついにこの日がやってきました。30年産の米作り。その集大成の稲刈りがスタートしました!

 さて、松幸農産では いよいよ収穫期に入りました。待ちに待ったというより 今年は「突然」に始まったというのが実情です。春の田植えが苗の都合でいきなり始まったように、刈り取りもまた突然のスタートでした。

 「あれ?」と思ったのが8月の初旬です。8月20日頃に適期となるはずの酒米「五百万石(田んぼ2枚分」が色落ち始めました。少し早すぎます。気にして見ているとどんどん色落ちが進んですぐに適期を迎えました。もともと生育が短い品種なのでこれはこれで良し。たんぼ2枚のことなので8月10日には収穫してしまいました。

 「はっ?」と思って、メインのコシヒカリに目を向けます。こちらは少し遅いものの同様に色落ちが始まり、水分も落ち始めています。逆にこれはマズイと思いました。コシヒカリは収穫する量も五百万石とは けた違いに多いのです。早すぎては困ります。例年であれば、お盆前に水路の水が止まり、従業員はお盆休みを取って お盆明けから収穫の最終準備を行って8月23日に収穫を開始。このままだと、お盆休みはありません。でも 刈り取る時期が来てしまったら、刈り取らないとどんどん時期が遅れていって全体的な刈り遅れとなってしまいます。

さらにもう一つ、収穫の最終準備ができていません。新車のコンバインは良いとして、前からあるコンバインの最終整備はこれからです。また、運搬用のダンプカーも借り受けるのはお盆明けでお願いしてありました。これもすぐに手配できるかわからない。8月上旬にして急に慌ただしくなってしまいました。

 そして、どんな話になるかと言いますと すぐの刈り取りに備えて、まずは「休みが無くなっても出勤できるのは何人いるのか?」、「すぐにコンバインの整備をしろ!」、「借りられるダンプカーをすぐに借りてこい!」とカオス的な状況になります。すぐに走り出して準備が間に合いそうなのがスタッフ半数、機械も半分。できるのはここまで。もうやり切ることを覚悟しました。そして、お盆直前・・・

 色落ちは進んで、適期を見極めるために水分を確認しました。「あれ?思った以上に水分は落ちていない?まだ早いのでは?」 でも、酒米は明らかに早かった。コシヒカリも早いに違いない。全体的は水分は刈り取ってみないと分からない。そんな感覚で「とにかく1~2枚刈り取ってみよう」となりました。そして、結果は・・・

 「あ、やっぱり早い・・・」1週間は早いと確認できてしまいました。完全な勇み足です。思うに今年の暑さが生育を早めている現状と酒米が実際に早かった現実で見る目が狂ってしまったのでと思います。色落ちの具合から見た水分の落ち具合も想定と違っていました。「何だったんだ、この数日は?」 しれっと風に揺れている稲穂を見て 少し恨めしくも感じます。おかげで無しを覚悟したお盆休みも取れてしまいました。これは幸いなのでしょうか?

 お盆が明けて再確認してみると今度は思ったように水分が落ちています。開けて3日後には刈り取り適期が来ました。その間、バタバタとしていきなり刈取りは始まりました。結果、例年より5日早いスタートです。その後、8月下旬~9月下旬まであとは止まらずどんどん収穫を進めています。

 振り返ると今年は「想定外」なことばかり起こった米作りでした。苗もそう、肥料もそう、収穫もそうです。こんな年は珍しいのではないでしょうか。原因を総括するならそれはやはり「暑さ」のせいです。全体の刈り取りが進んでいない段階なので最終結果は分かりませんがそれも苦労した分、愛着のあるお米。困らされて、困らされて育てたお米です。

 そんなお米が、皆様や私たちの健康で元気な生活のもとであることを願ってやみません。今年のお米はいかがでしょう。

                                    農業生産法人 松幸農産

                                    代表 松田丈輔

「すいません。知りません・・・」

あるお客様からのお電話。「コクゾウ虫はどこから侵入するの?」との問い合わせがありました。倉庫の中で「湧いてくるもの」、「いつの間にか侵入するもの」と認識していましたが、どこがスタートか分からず答えることができませんでした。コクゾウ虫はどこかに必ずいて、発生を抑えるには低温にすること(又は薬剤で燻蒸)までが思考の行き止まりで考えたこともありません。すぐに問い合わせました。農薬の卸業者さん、小米の卸業者さん共に正解がなく、県の農業研究所に聞いてようやく分かりました。

田んぼにて稲穂に卵を産むそうです。低温では活動せず、温度が上がると孵化しますし動き始めます。農薬で防除することは行いませんので、やはり自然と侵入してしまいます。米の保管は出来る限り低温でお願いします。今回は答えられず申し訳ありませんでしたが、私自身すごく勉強になりました。

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2018年8月 4日 (土)

あぐり新聞 8月号

皆様へ

 記録的は酷暑の中、皆様いかがお過ごしでしょうか。
いよいよ収穫が目前に迫ってきました。7月下旬現在で、倉庫のお米はほぼ空っぽになり、代わりに新しく買うことになってしまったコンバインが静かに出動の時期を待っています。

 8月の雨が降る日に乾燥機と倉庫の掃除、古いコンバインのオイル交換や整備を行って、お盆明けには収穫用のダンプカーをレンタルして全ての準備が整います。予定では8月25日頃には刈り取り開始、すぐに出荷が開始できるかと思います。
30年産の新米まであと少し!今しばらくお待ち下さい。

 さて、「もう暑くて暑くて仕方ありません」と先月に書きましたが、「もう暑くて死にそうです」に訂正させてください。木陰にいても、ムワッとした熱波から逃れるわけでもなく、また心地よいはずの風もただの熱風でしかありません。
毎日ただ ただ「怒り」がわき起こるばかりで、「明るく 元気よく働こう!」なんて言おうものなら それこそ空気の読めない馬鹿者の言葉と誰しもが思うでしょう。それが今年の暑さで、私たちの伊勢平野も例外では全くありませんでした。雨も降らずに、曇りもない。本当にひどい天候です。

 テレビを見ていると、何かの基準を越えたりして、「危険ですので外出は控えましょう」とアナウンサーが呼びかけたりしています。確かに命の危険さえ感じる暑さですので、言われていることはもっともです。でも、私たちお米の生産者はこの時期は炎天下の田んぼ以外の仕事はほとんどありません。田んぼの止水板の撤去が主な仕事。それらを一つ一つ行わなくてはなりません。どれも避けることはできないのです。

 更にもう一つ。7月下旬に今年ならではの仕事が増えました。それは肥料を追加することです。冬の土づくりで松幸農産の田んぼの地力は弱くありません。肥料過多にならないように、かつ適切な品質と収量を確保するために準備してきたからです。
しかし、春から暖かく暑かった今年は苗は旺盛に生育してしまいました。良く育っている分、必要な栄養素も多く必要で、またこの暑さに打ち勝つ生命力を維持するためにも、更に養分は増えてしまいました。見ていると少し「色落ち」が激しくなって、ヘタってきているのが分かります。

こうなると元気を取り戻すために少し肥料を追加するしかありません。方法は肥料を積んだ約40Kgのランドセルのような動力散布機を背負って、田んぼの中を練り歩くのです。大きく育った苗を傷つけないために大型機械は田んぼに入れませんので、この時期は人力だけが頼りです。
上から直射日光、下からの湿気、背中で轟音をあげるエンジンの熱気。さっさと終わらせたくても、40Kgを背負った状態でつまづいて倒れると、もう立ち上がることができないのでそうならないよう自然と歩みはゆっくりとなります。濡れ雑巾のような状態でもうろうとする意識で 「もうやらなくて良いんじゃないの?」 と思ったりもします。でも元気をなくしているのは全体からみて多くないし、頑張れば手の届くことだし何より見捨てることはできないし、毎日弱っていく姿を見続けるほど強くないし。そんないろいろな葛藤を乗り越えて、結局この作業もいつしかは終わっていました。

 暑すぎる夏は何も良いことがありません。稲に被害が出たり、誰かが熱中症で倒れたり、不測の事態が起こります。高温がどれほどお米に影響しているか楽観もできません。
ただ、それが現実ですし農業です。良いこともあれば、悪いこともある。自分たちは一生懸命できることを行い、あとは受け止めることが仕事です。

苦労した米作りも最終章を迎えました。8月下旬に収穫するお米が素晴らしいものであることを願っています。また、今年の夏が来年にはただの思い出話になることを同じくらい願っています。

                            農業生産法人 松幸農産
                                 代表 松田 丈輔

空調服について
 先月号で話題にしました扇風機付きの空調服ですが、全員分を購入することに決めました。外気の熱風が送られてくるだけなので期待していた「クーラーの中」みたいな感じではありませんが、少し快適に過ごすことができます。シーズン終盤の今ではなくもう少し早く導入していればと後悔しています。来年は買ってよかったと思える暑い夏か、必要なかったと悔しがる涼しい夏か、どちらが良いか迷うところですね。

スズメが・・・
 一部、作付ている酒米の五百万石。コシヒカリと比べて生育が非常に早いです。他を追い抜いて一番に稲穂になってしまいました。新米を待っているのは何も人間だけでなく スズメたちも同じ。この田んぼを目指して、毎日スズメが集まってきて困っています。数年ぶりに田んぼに防鳥テープを張り巡らせました。効果はいかに?

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あぐり新聞 7月号

皆様へ

 夏本番が始まりました。皆様いかがお過ごしでしょうか。

照りつける陽射しとムワッとする空気。じっとしていても流れ出る汗。
もう暑くと暑くて仕方がありません。

冷却ファン付きの作業着を着用すればクールに過ごせるのかもしれませんが、まだあまり普及していないところを見ると、「よし、買おう!」 と決心もできません。
「対策は?」 と言われると何もなくて ただただ 「暑いと考えない」 と答える。暑さは快適さを求めるのではなくて、乗り越えるものだと考えています。皆様はどうですか?

 さて、小麦の収穫が終わった松幸農産。今年は不作となってしまいました。転作を始めて5年ほど経ちますが、ここまで期待通りにいかなかったことはなく、実は非常に頭を痛めております。
農業法人である限り、農産物は必ず一定量を収穫しなくてはなりません。もちろん、天候によってうまくいかないことがありますが、そういったことを考慮して、また予測 したりして減収によるリスクを乗り越えていくものです。
大幅な減収に陥った場合の共済制度もあって、最悪はそれに助けてもらうことになるかもしれませんが、あくまで保険の位置づけで、「使うべきではないもの」 として考えています。ですから、常にきちんと収穫できるように最新の注意を払いながら日々作業を行います。
ただ、小麦には「連作障害」という避けては通れない問題があります。お米とは違い、畑作物の小麦は同じ圃場で毎年作り続けることができません。また、排水性の高い圃場(畑の地質)が適していて、保水性を必要とする田んぼとは性質が異なります。

 松幸農産のある伊勢平野は、お米を育てるには適したしっかりとした土壌が多く、麦を育てるサラサラした畑の土壌が少ないのです。連作が効かず、小麦に適した土壌の圃場も少ない。この条件ではどうしてもお米の土壌で小麦を作らざるをえません。
今年がそれにあたりました。連作にならない田んぼに小麦の種をまいて、雨が少なければうまくいき、雨が多ければ減収になることを覚悟ですすめるしかなかった。それが裏目に出たのです。予測できたことだけど、実際に起こると残念でなりません。共済を使うほど減収ではなかったことが唯一の幸いでした。

 さあ、こうなるともうお米に頼るしかありません。「お米の収穫が悪ければ・・・」 なんて考えたくもないし、考えてところで何の足しにもならない。田植えをして2ヶ月以上が過ぎ、もう戻ることさえできないのです。
今、田んぼにある苗を大切に育てるしかない。ここまで来ると、あとは苗の自力と天候が大事ですが私たちができることがまだあるのではないかと自ら問いかける日々です。
ただ、一つだけ光明があるとすれば、今年は冬の間に例年以上に土壌改良に力を入れておいたところです。小麦の減収を予測してのことではなく、より良いお米を育てるためにより良い土壌を作っておこうとの考えからでした。小麦用にもお米用にも行ったことなので、楽観することはありませんが、現在の苗はがっしりとした体躯を、どっしりとした根が支えて非常に力強く育っています。十分に地力を吸い上げ、日照がしっかりあればお米はなんとかなるのではないか。いや、もしかしたら小麦の減収分をカバーするに足りるのではないかと祈る気持ちで期待しています。

 農業が数式にようなら良いのにと思わずにはおれません。「1+1=2」のように 「農作業+努力=良い収穫」 となればどれほど良いことか。でも、実際はそこに様々な要因が複雑に絡まり合って、時に「足し算」 時に「引き算」、ある時は「掛け算」、またある時は「割り算」と変化し続けてしまいます。同じ手順で同じ作業をすることが、一つとして結果を担保してくれるものではない。宿命と一言で片づけるには、あまりにも辛い現実が確かに農業にはあります。
「打ち勝つ・・・」しかないのですね。失敗は来年に打ち勝つための材料に、成功もまた来年に負けないための材料に、一つ一つ積み重ねて生きていくしかありません。

7月に入り、お米の収穫のためにできることは、もうこの1ヵ月だけです。最後の最後まで、のたうちまわって頑張っていきます。

秋に素晴らしい収穫が迎えられることを心から願い、そして毎日祈るように過ごしております。

                           農業生産法人 松幸農産
                                代表 松田丈輔

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2018年6月 2日 (土)

あぐり新聞 6月号

皆様へ

 梅雨の季節になり、少し過ごしにくい日が続きますね。皆様いかがお過ごしでしょうか。6月初旬の松幸農産ではバイク溝掘り機=田面ライダーで溝付けと軽い中干しをします。

 中干しは、田への水を控えて軽く地面を割る基本的な作業です。土中への酸素の補充と根の生育促進、また分けつを抑えて穂への栄養を集める効果があります。土が乾きすぎると、地面が大きく割れて、根を引き裂きかねないので少し注意がいる作業でもあります。麦の刈り取りが同時並行で行われていきますのでこの期間は、米チーム、麦チームに分かれ田植えの時期ほどではないにせよ「あれもこれも」「これもあれも」と、ちょっとのことが忙しくせわしなく感じます。ただ、雨天では涼しかったりするので作業する我々は、湿度は高い割に過ごしやすいです。皆様と逆ですね。

 さて、今年の田植えは例年と違うところが3つありました。一つは非常に湿度が高かったこと。先月のあぐり新聞に書いたとおり、育苗では苦労することになりました。その後の耕作がスケジュール通り進まずに非効率になった分を取り戻すのが本当に大変でした。

 二つ目は田植えをする面積がひよっこりと増えたことです。田植えの直前にパタパタと耕作の依頼が来て、前の年の一割くらい増えたのです。

 三つ目は手伝ってくれるはずの人が交通事故で来られなくなりました。事故でけがはなかったそうですが一名減での田植となりました。「非効率」「仕事増量」「人員減」と猛烈に働く状況に追い込まれ、必死に走り回った今年の田植え。それでも5月中旬にはほぼ予定通り終わることができました。では例年通りきちんとできたか?というと・・・。畦の草刈りまでは・・・。さすがにすべて良し!とまではいきませんでした。

 畦の草刈りは事前準備ができません。当たり前ですが春に雑草が一斉に伸び始めるからです。田植えが始まる10日ほど前{4月1日}から草刈部隊がスタートするのですが、この10日のアドバンテージを田植え終了まで守っていくのが部隊の至上命題です。代掻きや田植え{本体}の前に畦がきれいに刈られていると地域から評判も上がるし、何より作業に入る本体が気持ちよく、かつ安全に作業ができます。田植え後の管理部隊も畦がきれいだと漏水の穴を見つけやすいし、マムシに遭遇しても逃げることができます。耕作に直接関係ないようで非常に大事なことでもあるのです。もともと草刈部隊は4名ですが、若干不足を感じることもあり、少し手が空いたら、草刈り部隊のヘルプに入ることが全員の共有事項となっています。

 ところが今年は上記3つが例年と違います。苗の関係で最初にあちらこちらと植えていったばかりに、なかなかヘルプに入れません。面積が増えたのに直前過ぎて手伝いに人を確保できないまま田植えシーズンに突入しました。その上、交通事故で来られなかった人の分を補充するため草刈り部隊から一人移動してもらわないと本体の田植えが進まなかったのです。これでは当然遅れてきます。

 結果、どうなったかというと4月の下旬には本体に追いつかれ5月の頭には追い抜かれてしまいました。こうなるとちょっとの空き時間でも田んぼに走って草刈りをしなくてはなりません。ですが、田んぼの前に立って唖然とします。「そうだ・・今年は暑いのだ・・・」苗の育ちが早いということは当然雑草の育ちも早い。それこそ草ボーボーの状態でした。もはや完全に手遅れです。こんな状態なのに今まで時間を稼いでくれた草刈り部隊の頑張りに感謝しながら草刈りを続けました。

 「これって誰のせい?」と振り返れば十分な人を配置できない会社のせい。すなわち私のせいだなと思います。田植えが始まって立ち止まれないことはいつもですが、この状況を避ける手立てを打つべきでした。田植えが終わってホッとする間もなく、草刈りに走っていくスタッフの後姿を見てそう感じざるを得ませんでした。

 言い訳はなし!来年は上手くやる!そう考えるだけです。一年、一年、一日一日、状況が変わっても対処できる体制を作らなくてはなりません。今年はすごく勉強になりました。

                        農業生産法人 松幸農産
                               代表 松田 丈輔

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2018年5月 3日 (木)

あぐり新聞 5月号

皆様へ

 もう初夏と言っても良いくらいの5月の陽気。皆様いかがお過ごしでしょうか。

 松幸農産では、5月中旬まで田植え、下旬の麦刈りと目まぐるしく日々が過ぎていきます。次から次へと、こうも忙しくて良いものか、と心折れそうになることもありますが、泣きごとを言っても始まりません。特に今年は田植え直前に耕作面積が増え、しかし、人数は例年通り。誰一人欠けても終わりません。「やりきる!」この一言に全てをかけて、ここ一番を乗り切っていきます。やる気が沸騰する農業現場。これこそ5月です。

 さて、今年の田植えは全く想定外です。スケジュール通りに進まないのです。何故って、暖かすぎるからです。苗がグングン大きくなって、私たちに田植えを強いるのです。

 先月末に、この あぐり新聞を書いている時、すでに怪しい感じはしていました。どうも今年は暖かい。桜があまりに早く満開になり、屋台が出揃う前に散ってしまいました。長男の中学入学日は葉桜で、桜をバックに記念撮影は・・・、 やめておきました。各地でも桜祭りが中止とのニュースが流れていましたね。三足くらい早めの春到来でしたね。

松幸農産の田植えは4月12日スタートです。この10年くらい変わっていません。この日にダムから分水され、水路に水が流れるからです。流れ出したら即、田植えのスタートです。まだ若干寒さの残る3月中旬に苗をハウスに並べます。3月の寒さを計算しての育苗期間を25日と定めています。次に4月下旬に並べる苗は暖かさを見越して15日間。実に10日間も差があるのです。

 「とにかく温度を下げてくれ!」早すぎる生育を見つめながら毎日育苗担当者と話していました。温度さえ下がれば苗の生育スピードを遅らせることができます。例年なら何でもない事です。しかし、今年のようにこれだけ日光が照ると開閉窓のついているだけのハウスでは気温以下には下がりません。4月初旬、田植えの1週間前にはなんと苗が完成してしまいました。びっしりと根が張って、シャンと背筋が通った最高の苗です。水路に水はなく、植えるべき田んぼは準備できていないままでした。

 私達に与えられた選択肢は2つ。早くできすぎた苗を廃棄して苗を作り直す。実現は可能ですが、損が出ますし それ以上にわが子のように大切に育てた苗を捨てるなんて最悪です。ではどうするか?別の選択肢は、段取りや能率・スケジュールを全く無視してとにかく準備できる田んぼを探しまくる、です。各所に点在する井戸水が使える田にまず水を張りました。入り次第、代掻きをして準備を整えます。また、水線によっては、『お試し通水』というのがあります。本線から支線にきちんと水が流れるかを試す、このお試しの水もおおいに活用して とにかく田んぼにはりました。出来上がった順に田植えを行っていきましたのでもうバラバラです。「1日でも早く、一刻も早く」を徹底したので何とか間に合い、苗に負担を与えることなく 無事 田植えを進めることができたのです。

 さて、ここで『めでたし、めでたし』と言いたいのですが、そうもいきません。実は、育苗計画の前倒しを行わなかったのです。苗が追いかけてくる状況で、更に育苗を進めようとは考えられなかったためです。するとどうなる?お察しの通り、早い苗はハウスから無くなり、次の苗は逆に追いつきません。暖かくなることを見込んでいるので、例年通りの気温に戻ってしまった今、苗の育ちが思うように進みません。「作業を進めたいけど苗がない!」馬鹿みたいな話ですが・・・。今年は本当に泣かされます。

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 バタバタの田植えですが、5月の中旬には無事に終えられそうです。苦労した分、しっかりと育って欲しいと思っています。が、今年は酷暑の予報・・・。夏の生育が今から気がかりです。

 しっかり土づくりをしたし、育苗も田植えもしました。ここから先は天候と苗の生命力が大部分を占めます。苗が元気に育つように私達も元気に!苗と私達、お互いに暑さを乗り越え苦労を分かち合って(?)一緒に秋へと向かっていきます。

 いつも田んぼの苗とは戦友みたいな関係です。「頑張ろうな!」と声をかけています。

                          農業生産法人 松幸農産                                       

                            代表 松田丈輔

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2018年1月16日 (火)

あぐり 新聞

 

 

 

 皆様へ

 

 いよいよ年もあけて、新しい1年がスタートしました。皆様いかがお過ごしでしょうか。朝は太陽が昇り、夕方には沈んでいく。実は何も変わっていないのに、何だか全てがリセットされて、新たな希望に満ち満ちていくのは不思議なものです。「がんばろー!」と言われると、反射的に「そうだ、がんばろー!」と返してしまう。根拠がなくても、幸せな気分があふれていますよね。だから1月は大好きです。

 

 11月、12月と少雨だったので、松幸農産では例年にないくらい作業が進んでしまいました。麦の種まきなんて、12月の中旬には終わっていましたし、1月から行う予定だった鶏糞の散布も、あっという間に終わりました。後は稲わらが完全に土に返って、今年の養分になるのを待つばかりです。「この調子なら、今年は何かいいことあるんじゃないか?」そんな話で盛り上がります。新たに始まる30年産のコメ作りは期待大ですね!

 

 

 

 さて、代表の私が言うのも変ですが、松幸農産は本当にいい会社です。「お米が良いから」を一番に挙げたいところですが、実は違って「働いている人が良いから」が一番の自慢です。誰一人例外なく、みんな素晴らしい人ばかりです。一生懸命にはたらいてくれるのはもちろんのことですが、人間的に魅力があって、みんな仲良くて、仕事にまじめに向き合って、より良くするためにいつも考えてくれて、実行してくれて。そうしてお互いに頑張れることが何より幸せに感じます。こんな話をすると、「それは社長が良いから…」とお世辞を言ってくれる人もいるのですが、それは笑って完全に否定できます。そうではないですね。「みんな良い」いつもそう思います。土づくり、良いお米を収穫する工夫、新しい販売方法、お客さんが来てくれる努力、積極的なPRなど、小さいながらも本当に沢山の取り組みを行っていますが、すべてみんなの挑戦や苦労の上に成り立っていて、それらが少しずつ着実に実を結んでいって松幸農産の今があります。いつからでしょう?覚えていないのですが、自然発生的に積みあがってきたものです。「どうしてですか?」と聞かれれば、「働いている人が良いから松幸農産は良いのです」という答えしか見当たりません。何にも代えがたい松幸農産の自慢。それは「人」で、そういう人たちが作るお米であったり、ケーキであったり、運営する飲食店であったり、また受付や発送業務であったり、動物の世話だったりします。だから、松幸農産のお米はおいしいし、ケーキや食事なんかもおいしい。来ていただければ、なんとなく気持ちがいい、そんな風に考えています。でもなかなか伝わらないですよね。内部的なことですから。新年ですので「松幸農産の姿」をトピックにして何か書こうと思ったら、このことがスラスラ出てきてしまったので書くことにしました。皆様の持っておられるイメージと同じだったでしょうか?

 

 

 

 これからどれほど、AIの時代が来て業務が効率化し、機械やシステムが自動化して効率的になっていったとしても、結局すべて「人」が大事なのだと思っています。15年くらい前に教えてくれた人がいました。最新鋭の機械やシステムさえあれば何でも可能になると、そんな風に語られる時代でもあります。でも、前時代的であっても、少しくらい能率が悪くても、どこか「人間臭い」部分があったほうが良いと思われないでしょうか。ご飯は手作りがおいしいし、人とは会ったほうが楽しい。間違いないですよね。

 

松幸農産は小さな会社ですが、「人がいる会社」です。そんな人が、今年も一生懸命お米を作ります。新年を迎えて、思いは新たに、良さはそのままに頑張っていきます。

 

皆様にお届けする品物の後ろに、頑張るみんなの姿を想像して頂けますと嬉しいです。

 

 

 

農業生産法人 松幸農産

 

代表 松田丈輔

 

 

 

 日本酒プロジェクト 第2

 

 産官学連携の日本酒プロジェクトですが、新たに社団法人を設立しました。その名も、「一般社団法人 神都の祈り」です。なんか宗教法人みたいですが、伊勢神宮のおひざ元にできた組織ですので、これはお許しください。私たちの日本酒「神都の祈り」を中心に、参加組織を募りながら、次の展開をこれから考えます。そして理事長には私、松田が就任します!もう完全に「実権なしのお飾り」というか、「消去法の貧乏くじ」というか、2度もフランスに連れて行ってもらったので、断りきれずにやることになりました。でも、こちらも奇跡的に良い構成メンバーに恵まれたので、共に新しい挑戦ができればと思っております。形や方針が決まったら、またご報告させていただきます。

 

 

 

 スイーパーの件

 

 皆様、「スイーパー」って知っていますか?一度ネットで検索してみてください。手動の芝刈り機みたいな形で、それを押すだけで、ゴミがすいすい取れていきます。今までほうきと塵取りで1時間はかかった倉庫の掃除も、これ1台で10分で終了です。お値段は約5万円。「早く出会いたかった!」の声が続出です。本当に便利です。なんかテレホンショッピングの1シーンみたいになっちゃいました!

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2017年12月 2日 (土)

あぐり新聞 12月号

皆様へ
 早いもので今年も12月に入ってしまいました。皆様いかがお過ごしでしょうか。よくても寒さが和らぐ程度の日々で、さすがに暖かい日はありません。一枚、また一枚と日に日に着ぶくれしていって風船に足が生えてるみたいです。みんなが丸く見えてきます。「俺は7枚着ているぞ!」「いやいや俺は8枚だ!」いつもの冬のワンシーンです。

 12月の松幸農産では、麦の種蒔きを必死で行っています。10月は長雨で全く作業が進みませんでしたが、11月に入ると一転、晴れの日ばかりが続きました。遅れを取り戻そうと猛然と作業を進めておりましたら、いつの間にやら追いついて、例年と同じようなスケジュールになりました。この12月が最後の種蒔きの適期ですから、気持ちよく年末年始を迎えられるよう、今年最後の気合を入れて突っ走っていこうと思います。

 さて、今年平成29年は最後の年です。いわゆる「30年問題」です。「減反」や「転作」という言葉はよく耳にしますよね。1960年代には米が余りはじめ、私が生まれた1970年代に導入されたお米を作らない政策、それが減反や転作(生産調整)です。以来、一貫して国は米の生産に関与してきました。その関与を来年、平成30年からやめて「自主的に生産調整を行ってくださいね」となり、その先はどうなるかわからない。これが「30年問題」です。

 普通に考えて、生産調整がなくなれば、大量の米が作られて余り始めます。何とか売らなければならないのでその分、価格は下がります。消費者にとってこれはメリットですね。ただ、8年前に米の大暴落があった際には、私たちも非常に苦しい立場に追いやられました。その記憶が生々しい現時点で作り手の生産者はそれを望んでいません。消費者の方々には申し訳ない気持ちでいっぱいですが、それが正直な気持ちです。

 そういった気持ちを考慮して国も無策ではありません。聞かれた方も多いと思いますが「飼料米=エサ米」の大増産です。転作作物として、法律上人間が食べてはいけない家畜の餌を作ることになりました。エサ米は輸入トウモロコシとの戦いです。一般の米以上に、価格では太刀打ちできません。その為、価格を合わせるために補助金で補てんされています。今ではエサ米を作った方が得な場合も多々あるので、どんどん増産されている最中です。みんながエサ米を作るので人間が食べる米の量は減り、近年米の価格は上がり続けています。 

 ある意味バランスが取れていると感じられるでしょうか。それとも何か変な感じだと思われるでしょうか。一方では生産調整をやめて、米が余るかもしれない状況を作り、米価を下げる。しかしその他方で同時にエサ米を作って調整を行う。これが機能して米は値上がりする。士すっきりしませんね。

 そんな中、松幸農産はどうするか。私は単純ですが「いいお米を作ろう」と思っています。海外産に値段で勝てる米、補助金で成り立つエサ米。考えるだけでなんだか寂しくなります。それよりも肥沃な土壌を作って、愛情込めて育て、秋には美味しいお米を収穫したい。汗を流して、泣いて笑ってのいつもの秋を迎えたい。そういったことに値打ちを感じるのです。高級品でなくて、誰もが手にできる範囲で、いつでも食べていただけるお米を作ることが生産者の仕事だと思っています。「いいお米」を作っていけば、そこにこそ道が開けてくると信じています。

 平成30年はどんな一年になるのでしょうか。「30年問題」がやってきますがどうなるかは実は誰も予想しきれていません。米価が大暴落するか、引き続き値上がりするか、よくわからないのです。でも、それはそれとして受け入れ、自分たちは自分たちの出来ることをしっかりする。そんな一年にしたいと思っています。

 皆様、今年も一年間本当にありがとうございました。非常に厳しい時代ですが、私たちのお米を食べて下さる皆様がいることが何よりの励みです。来年も少しでも皆様の期待に応えられるお米を作っていこうと思いますので是非見守ってください。

 何かと慌ただしい時期ですが、良いお年を迎えられますように。
 一年間、本当にありがとうございました。

                          農業生産法人 松幸農産
                               代表 松田 丈輔

「ポニーの芸」
 私たち、これから村のアイドル、ポニーたちはりんごか柿をあげると、犬がお腹をなでてほしくてあお向けになるようにポニーもあお向けに転がります。最初は調子を崩したかと心配しましたが3匹が3匹とも、リンゴか柿をあげると転がるのでよっぽど嬉しいのだ・・・ということで落ち着きました。わざわざポニーに会いに来てくださるお客様のためにポニー芸として、飼育係の滝さんは披露しています。ポニーも嬉しいおやつです。

あと、体が小さいので幼く見えるポニーですがお腹の大きさで中年だとばれてしまします。

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2017年11月 2日 (木)

あぐり新聞 11月号

皆様へ

 11月に入りました。皆様いかがお過ごしでしょうか。過ごしやすかった秋も遠のいて、日に日に冬を感じることが多くなりました。松幸農産では11月は小麦の種蒔きを行いますが、10月中旬からの天候不順で準備が全く進んでおりません。本来なら田起こし、溝切りといった作業は10月中にめどがついて11月は種を蒔き始めるのですが、10月末時点でほぼ手つかずの状態。このままでは収穫が梅雨時期にずれ込んで、最悪の場合は雨で収穫できず破棄することになりかねません。農業のプロとしてはそんなことは許されません。何が何でも適期作業を行うべく、11月もフルスロットが続きます。

 さて、10月に大きな台風が来ました。私はここで20年、農業をしていますが、雨の量では最大の台風です。大きな被害はありませんでしたが、あまりのも壮絶な光景でしたのでご報告させていただきます。

 台風は日曜日の夜に最接近する予想でした。土曜日の夕方には養生して帰り、後は台風が過ぎ去るのを待つばかりです。暴風はなく、ただ大雨だけが続きました。朝から夜までずっとです。夜になり、選挙速報を見ているとテレビも防災無線も大雨警報一色になりました。準備情報に始まって、避難勧告、避難指示。河川も氾濫注意のレベル2から、レベル3、レベル4とどんどん上がっていきます。最後には地域全域に避難勧告。「全員がどこに逃げるんだ?」と不安になり「会社の倉庫は大丈夫だろうか?」とますます心配になりました。収穫は終わっているので農業被害は考えられませんが、1年分のおこめが倉庫に積み上がっているからです。

 月曜日の朝、明るくなるのを待って家を飛び出ました。雨は止んで、今度はものすごい風が吹き荒れていました。松幸農産の倉庫の横には危険水位を超えた川の支流が流れています。風は大丈夫。もし被害があるとしたら浸水被害しかありません。車を走らせると目の前には広がるのは見たこともない風景です。一面が茶色の湖で集落は水に浮かんでいるようです。ほとんどの道路が冠水し、幹線道路だけがかろうじて通行可能でした。乗り捨てられた車。折れた看板。通りすがりの川は溢れ、泥水が橋を押しています。「これはだめだ・・・・」 もう、観念しました。通行止めを避け松幸農産に近づき「せいの!!」と覚悟を決めて最後の角を曲がると・・・・

 松幸農産は無事でした。川の水位と堤防の差は10㎝くらい。倉庫の床までは50㎝くらいの差でしょうか。一方、横の田んぼに目をやると見事に一面の茶色の湖です。畦も道路も全く見えず電柱だけが水の上に立っていました。まだ風が強く打ち寄せる泥水が崩れたのり面でしぶきをあげています。隣地のビニールハウスは水没し、遠くには民家へ救助に向かう消防署のボートが見えました。何十年とこの地で仕事をしていますが、こんな風景は初めてです。もし水位が数十センチ上がっていたら倉庫のお米は破棄しなければならなかったと思います。ガラスが割れたり、棚が押し流されたりと被害はありましたが、この程度で済んで本当に不幸中の幸いでした。

 そこで思うのです。「これは田んぼに助けられたな・・」と。
広大な田んぼが溢れた水を全て引き受けて水位の上昇を抑えてくれたのだから。
逆に住宅ばかりの街中は排水路だけでは処理しきれずに冠水被害を受けました。同じように低い土地でも、さらに低い田んぼがあったおかげで助かったのだと思います。
「さすが、松幸農産。田んぼに裏切られることはない!!」普段の行いの良さを自認しながら胸をなでおろすことができました。その後、水の引いた田んぼに残ったのは膨大なゴミです。田んぼに助けられた分、後片づけは私たちの仕事。ありがたく片づけをしました。

                        農業生産法人 松幸農産
                             代表 松田 丈輔

流れてきたもの、流れていったもの

 水が引くとたくさんの流木、稲わら、ごみが流れ着いていました。それに紛れて「生きた蛇」もたくさん流れ着いていました。命からがら逃げてきたのでしょうね。逆に松幸農産の「鯉の池」は完全に水没してしまい、ほとんどの錦鯉はどこかに流されていきました。川に流れついて無事ならいいのですが・・・海まで行っていたら・・・

パリとロンドンへ行ってきました。

 9月末に日本酒プロジェクトのPRに欧州に行ってきました。パリで取り扱ってくれるお店も決まり、徐々にではありますが進んでおります。ロンドンでミチコさんという女性を紹介されて一緒にご飯を食べました。コシノ姉妹のデザイナー「MITIKO LONDN]さんです。どうしてこうなったのか? お酒もまわって実は今でも謎のままです。

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