2018年8月 4日 (土)

あぐり新聞 8月号

皆様へ

 記録的は酷暑の中、皆様いかがお過ごしでしょうか。
いよいよ収穫が目前に迫ってきました。7月下旬現在で、倉庫のお米はほぼ空っぽになり、代わりに新しく買うことになってしまったコンバインが静かに出動の時期を待っています。

 8月の雨が降る日に乾燥機と倉庫の掃除、古いコンバインのオイル交換や整備を行って、お盆明けには収穫用のダンプカーをレンタルして全ての準備が整います。予定では8月25日頃には刈り取り開始、すぐに出荷が開始できるかと思います。
30年産の新米まであと少し!今しばらくお待ち下さい。

 さて、「もう暑くて暑くて仕方ありません」と先月に書きましたが、「もう暑くて死にそうです」に訂正させてください。木陰にいても、ムワッとした熱波から逃れるわけでもなく、また心地よいはずの風もただの熱風でしかありません。
毎日ただ ただ「怒り」がわき起こるばかりで、「明るく 元気よく働こう!」なんて言おうものなら それこそ空気の読めない馬鹿者の言葉と誰しもが思うでしょう。それが今年の暑さで、私たちの伊勢平野も例外では全くありませんでした。雨も降らずに、曇りもない。本当にひどい天候です。

 テレビを見ていると、何かの基準を越えたりして、「危険ですので外出は控えましょう」とアナウンサーが呼びかけたりしています。確かに命の危険さえ感じる暑さですので、言われていることはもっともです。でも、私たちお米の生産者はこの時期は炎天下の田んぼ以外の仕事はほとんどありません。田んぼの止水板の撤去が主な仕事。それらを一つ一つ行わなくてはなりません。どれも避けることはできないのです。

 更にもう一つ。7月下旬に今年ならではの仕事が増えました。それは肥料を追加することです。冬の土づくりで松幸農産の田んぼの地力は弱くありません。肥料過多にならないように、かつ適切な品質と収量を確保するために準備してきたからです。
しかし、春から暖かく暑かった今年は苗は旺盛に生育してしまいました。良く育っている分、必要な栄養素も多く必要で、またこの暑さに打ち勝つ生命力を維持するためにも、更に養分は増えてしまいました。見ていると少し「色落ち」が激しくなって、ヘタってきているのが分かります。

こうなると元気を取り戻すために少し肥料を追加するしかありません。方法は肥料を積んだ約40Kgのランドセルのような動力散布機を背負って、田んぼの中を練り歩くのです。大きく育った苗を傷つけないために大型機械は田んぼに入れませんので、この時期は人力だけが頼りです。
上から直射日光、下からの湿気、背中で轟音をあげるエンジンの熱気。さっさと終わらせたくても、40Kgを背負った状態でつまづいて倒れると、もう立ち上がることができないのでそうならないよう自然と歩みはゆっくりとなります。濡れ雑巾のような状態でもうろうとする意識で 「もうやらなくて良いんじゃないの?」 と思ったりもします。でも元気をなくしているのは全体からみて多くないし、頑張れば手の届くことだし何より見捨てることはできないし、毎日弱っていく姿を見続けるほど強くないし。そんないろいろな葛藤を乗り越えて、結局この作業もいつしかは終わっていました。

 暑すぎる夏は何も良いことがありません。稲に被害が出たり、誰かが熱中症で倒れたり、不測の事態が起こります。高温がどれほどお米に影響しているか楽観もできません。
ただ、それが現実ですし農業です。良いこともあれば、悪いこともある。自分たちは一生懸命できることを行い、あとは受け止めることが仕事です。

苦労した米作りも最終章を迎えました。8月下旬に収穫するお米が素晴らしいものであることを願っています。また、今年の夏が来年にはただの思い出話になることを同じくらい願っています。

                            農業生産法人 松幸農産
                                 代表 松田 丈輔

空調服について
 先月号で話題にしました扇風機付きの空調服ですが、全員分を購入することに決めました。外気の熱風が送られてくるだけなので期待していた「クーラーの中」みたいな感じではありませんが、少し快適に過ごすことができます。シーズン終盤の今ではなくもう少し早く導入していればと後悔しています。来年は買ってよかったと思える暑い夏か、必要なかったと悔しがる涼しい夏か、どちらが良いか迷うところですね。

スズメが・・・
 一部、作付ている酒米の五百万石。コシヒカリと比べて生育が非常に早いです。他を追い抜いて一番に稲穂になってしまいました。新米を待っているのは何も人間だけでなく スズメたちも同じ。この田んぼを目指して、毎日スズメが集まってきて困っています。数年ぶりに田んぼに防鳥テープを張り巡らせました。効果はいかに?

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あぐり新聞 7月号

皆様へ

 夏本番が始まりました。皆様いかがお過ごしでしょうか。

照りつける陽射しとムワッとする空気。じっとしていても流れ出る汗。
もう暑くと暑くて仕方がありません。

冷却ファン付きの作業着を着用すればクールに過ごせるのかもしれませんが、まだあまり普及していないところを見ると、「よし、買おう!」 と決心もできません。
「対策は?」 と言われると何もなくて ただただ 「暑いと考えない」 と答える。暑さは快適さを求めるのではなくて、乗り越えるものだと考えています。皆様はどうですか?

 さて、小麦の収穫が終わった松幸農産。今年は不作となってしまいました。転作を始めて5年ほど経ちますが、ここまで期待通りにいかなかったことはなく、実は非常に頭を痛めております。
農業法人である限り、農産物は必ず一定量を収穫しなくてはなりません。もちろん、天候によってうまくいかないことがありますが、そういったことを考慮して、また予測 したりして減収によるリスクを乗り越えていくものです。
大幅な減収に陥った場合の共済制度もあって、最悪はそれに助けてもらうことになるかもしれませんが、あくまで保険の位置づけで、「使うべきではないもの」 として考えています。ですから、常にきちんと収穫できるように最新の注意を払いながら日々作業を行います。
ただ、小麦には「連作障害」という避けては通れない問題があります。お米とは違い、畑作物の小麦は同じ圃場で毎年作り続けることができません。また、排水性の高い圃場(畑の地質)が適していて、保水性を必要とする田んぼとは性質が異なります。

 松幸農産のある伊勢平野は、お米を育てるには適したしっかりとした土壌が多く、麦を育てるサラサラした畑の土壌が少ないのです。連作が効かず、小麦に適した土壌の圃場も少ない。この条件ではどうしてもお米の土壌で小麦を作らざるをえません。
今年がそれにあたりました。連作にならない田んぼに小麦の種をまいて、雨が少なければうまくいき、雨が多ければ減収になることを覚悟ですすめるしかなかった。それが裏目に出たのです。予測できたことだけど、実際に起こると残念でなりません。共済を使うほど減収ではなかったことが唯一の幸いでした。

 さあ、こうなるともうお米に頼るしかありません。「お米の収穫が悪ければ・・・」 なんて考えたくもないし、考えてところで何の足しにもならない。田植えをして2ヶ月以上が過ぎ、もう戻ることさえできないのです。
今、田んぼにある苗を大切に育てるしかない。ここまで来ると、あとは苗の自力と天候が大事ですが私たちができることがまだあるのではないかと自ら問いかける日々です。
ただ、一つだけ光明があるとすれば、今年は冬の間に例年以上に土壌改良に力を入れておいたところです。小麦の減収を予測してのことではなく、より良いお米を育てるためにより良い土壌を作っておこうとの考えからでした。小麦用にもお米用にも行ったことなので、楽観することはありませんが、現在の苗はがっしりとした体躯を、どっしりとした根が支えて非常に力強く育っています。十分に地力を吸い上げ、日照がしっかりあればお米はなんとかなるのではないか。いや、もしかしたら小麦の減収分をカバーするに足りるのではないかと祈る気持ちで期待しています。

 農業が数式にようなら良いのにと思わずにはおれません。「1+1=2」のように 「農作業+努力=良い収穫」 となればどれほど良いことか。でも、実際はそこに様々な要因が複雑に絡まり合って、時に「足し算」 時に「引き算」、ある時は「掛け算」、またある時は「割り算」と変化し続けてしまいます。同じ手順で同じ作業をすることが、一つとして結果を担保してくれるものではない。宿命と一言で片づけるには、あまりにも辛い現実が確かに農業にはあります。
「打ち勝つ・・・」しかないのですね。失敗は来年に打ち勝つための材料に、成功もまた来年に負けないための材料に、一つ一つ積み重ねて生きていくしかありません。

7月に入り、お米の収穫のためにできることは、もうこの1ヵ月だけです。最後の最後まで、のたうちまわって頑張っていきます。

秋に素晴らしい収穫が迎えられることを心から願い、そして毎日祈るように過ごしております。

                           農業生産法人 松幸農産
                                代表 松田丈輔

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2018年6月 2日 (土)

あぐり新聞 6月号

皆様へ

 梅雨の季節になり、少し過ごしにくい日が続きますね。皆様いかがお過ごしでしょうか。6月初旬の松幸農産ではバイク溝掘り機=田面ライダーで溝付けと軽い中干しをします。

 中干しは、田への水を控えて軽く地面を割る基本的な作業です。土中への酸素の補充と根の生育促進、また分けつを抑えて穂への栄養を集める効果があります。土が乾きすぎると、地面が大きく割れて、根を引き裂きかねないので少し注意がいる作業でもあります。麦の刈り取りが同時並行で行われていきますのでこの期間は、米チーム、麦チームに分かれ田植えの時期ほどではないにせよ「あれもこれも」「これもあれも」と、ちょっとのことが忙しくせわしなく感じます。ただ、雨天では涼しかったりするので作業する我々は、湿度は高い割に過ごしやすいです。皆様と逆ですね。

 さて、今年の田植えは例年と違うところが3つありました。一つは非常に湿度が高かったこと。先月のあぐり新聞に書いたとおり、育苗では苦労することになりました。その後の耕作がスケジュール通り進まずに非効率になった分を取り戻すのが本当に大変でした。

 二つ目は田植えをする面積がひよっこりと増えたことです。田植えの直前にパタパタと耕作の依頼が来て、前の年の一割くらい増えたのです。

 三つ目は手伝ってくれるはずの人が交通事故で来られなくなりました。事故でけがはなかったそうですが一名減での田植となりました。「非効率」「仕事増量」「人員減」と猛烈に働く状況に追い込まれ、必死に走り回った今年の田植え。それでも5月中旬にはほぼ予定通り終わることができました。では例年通りきちんとできたか?というと・・・。畦の草刈りまでは・・・。さすがにすべて良し!とまではいきませんでした。

 畦の草刈りは事前準備ができません。当たり前ですが春に雑草が一斉に伸び始めるからです。田植えが始まる10日ほど前{4月1日}から草刈部隊がスタートするのですが、この10日のアドバンテージを田植え終了まで守っていくのが部隊の至上命題です。代掻きや田植え{本体}の前に畦がきれいに刈られていると地域から評判も上がるし、何より作業に入る本体が気持ちよく、かつ安全に作業ができます。田植え後の管理部隊も畦がきれいだと漏水の穴を見つけやすいし、マムシに遭遇しても逃げることができます。耕作に直接関係ないようで非常に大事なことでもあるのです。もともと草刈部隊は4名ですが、若干不足を感じることもあり、少し手が空いたら、草刈り部隊のヘルプに入ることが全員の共有事項となっています。

 ところが今年は上記3つが例年と違います。苗の関係で最初にあちらこちらと植えていったばかりに、なかなかヘルプに入れません。面積が増えたのに直前過ぎて手伝いに人を確保できないまま田植えシーズンに突入しました。その上、交通事故で来られなかった人の分を補充するため草刈り部隊から一人移動してもらわないと本体の田植えが進まなかったのです。これでは当然遅れてきます。

 結果、どうなったかというと4月の下旬には本体に追いつかれ5月の頭には追い抜かれてしまいました。こうなるとちょっとの空き時間でも田んぼに走って草刈りをしなくてはなりません。ですが、田んぼの前に立って唖然とします。「そうだ・・今年は暑いのだ・・・」苗の育ちが早いということは当然雑草の育ちも早い。それこそ草ボーボーの状態でした。もはや完全に手遅れです。こんな状態なのに今まで時間を稼いでくれた草刈り部隊の頑張りに感謝しながら草刈りを続けました。

 「これって誰のせい?」と振り返れば十分な人を配置できない会社のせい。すなわち私のせいだなと思います。田植えが始まって立ち止まれないことはいつもですが、この状況を避ける手立てを打つべきでした。田植えが終わってホッとする間もなく、草刈りに走っていくスタッフの後姿を見てそう感じざるを得ませんでした。

 言い訳はなし!来年は上手くやる!そう考えるだけです。一年、一年、一日一日、状況が変わっても対処できる体制を作らなくてはなりません。今年はすごく勉強になりました。

                        農業生産法人 松幸農産
                               代表 松田 丈輔

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2018年5月 3日 (木)

あぐり新聞 5月号

皆様へ

 もう初夏と言っても良いくらいの5月の陽気。皆様いかがお過ごしでしょうか。

 松幸農産では、5月中旬まで田植え、下旬の麦刈りと目まぐるしく日々が過ぎていきます。次から次へと、こうも忙しくて良いものか、と心折れそうになることもありますが、泣きごとを言っても始まりません。特に今年は田植え直前に耕作面積が増え、しかし、人数は例年通り。誰一人欠けても終わりません。「やりきる!」この一言に全てをかけて、ここ一番を乗り切っていきます。やる気が沸騰する農業現場。これこそ5月です。

 さて、今年の田植えは全く想定外です。スケジュール通りに進まないのです。何故って、暖かすぎるからです。苗がグングン大きくなって、私たちに田植えを強いるのです。

 先月末に、この あぐり新聞を書いている時、すでに怪しい感じはしていました。どうも今年は暖かい。桜があまりに早く満開になり、屋台が出揃う前に散ってしまいました。長男の中学入学日は葉桜で、桜をバックに記念撮影は・・・、 やめておきました。各地でも桜祭りが中止とのニュースが流れていましたね。三足くらい早めの春到来でしたね。

松幸農産の田植えは4月12日スタートです。この10年くらい変わっていません。この日にダムから分水され、水路に水が流れるからです。流れ出したら即、田植えのスタートです。まだ若干寒さの残る3月中旬に苗をハウスに並べます。3月の寒さを計算しての育苗期間を25日と定めています。次に4月下旬に並べる苗は暖かさを見越して15日間。実に10日間も差があるのです。

 「とにかく温度を下げてくれ!」早すぎる生育を見つめながら毎日育苗担当者と話していました。温度さえ下がれば苗の生育スピードを遅らせることができます。例年なら何でもない事です。しかし、今年のようにこれだけ日光が照ると開閉窓のついているだけのハウスでは気温以下には下がりません。4月初旬、田植えの1週間前にはなんと苗が完成してしまいました。びっしりと根が張って、シャンと背筋が通った最高の苗です。水路に水はなく、植えるべき田んぼは準備できていないままでした。

 私達に与えられた選択肢は2つ。早くできすぎた苗を廃棄して苗を作り直す。実現は可能ですが、損が出ますし それ以上にわが子のように大切に育てた苗を捨てるなんて最悪です。ではどうするか?別の選択肢は、段取りや能率・スケジュールを全く無視してとにかく準備できる田んぼを探しまくる、です。各所に点在する井戸水が使える田にまず水を張りました。入り次第、代掻きをして準備を整えます。また、水線によっては、『お試し通水』というのがあります。本線から支線にきちんと水が流れるかを試す、このお試しの水もおおいに活用して とにかく田んぼにはりました。出来上がった順に田植えを行っていきましたのでもうバラバラです。「1日でも早く、一刻も早く」を徹底したので何とか間に合い、苗に負担を与えることなく 無事 田植えを進めることができたのです。

 さて、ここで『めでたし、めでたし』と言いたいのですが、そうもいきません。実は、育苗計画の前倒しを行わなかったのです。苗が追いかけてくる状況で、更に育苗を進めようとは考えられなかったためです。するとどうなる?お察しの通り、早い苗はハウスから無くなり、次の苗は逆に追いつきません。暖かくなることを見込んでいるので、例年通りの気温に戻ってしまった今、苗の育ちが思うように進みません。「作業を進めたいけど苗がない!」馬鹿みたいな話ですが・・・。今年は本当に泣かされます。

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 バタバタの田植えですが、5月の中旬には無事に終えられそうです。苦労した分、しっかりと育って欲しいと思っています。が、今年は酷暑の予報・・・。夏の生育が今から気がかりです。

 しっかり土づくりをしたし、育苗も田植えもしました。ここから先は天候と苗の生命力が大部分を占めます。苗が元気に育つように私達も元気に!苗と私達、お互いに暑さを乗り越え苦労を分かち合って(?)一緒に秋へと向かっていきます。

 いつも田んぼの苗とは戦友みたいな関係です。「頑張ろうな!」と声をかけています。

                          農業生産法人 松幸農産                                       

                            代表 松田丈輔

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2018年1月16日 (火)

あぐり 新聞

 

 

 

 皆様へ

 

 いよいよ年もあけて、新しい1年がスタートしました。皆様いかがお過ごしでしょうか。朝は太陽が昇り、夕方には沈んでいく。実は何も変わっていないのに、何だか全てがリセットされて、新たな希望に満ち満ちていくのは不思議なものです。「がんばろー!」と言われると、反射的に「そうだ、がんばろー!」と返してしまう。根拠がなくても、幸せな気分があふれていますよね。だから1月は大好きです。

 

 11月、12月と少雨だったので、松幸農産では例年にないくらい作業が進んでしまいました。麦の種まきなんて、12月の中旬には終わっていましたし、1月から行う予定だった鶏糞の散布も、あっという間に終わりました。後は稲わらが完全に土に返って、今年の養分になるのを待つばかりです。「この調子なら、今年は何かいいことあるんじゃないか?」そんな話で盛り上がります。新たに始まる30年産のコメ作りは期待大ですね!

 

 

 

 さて、代表の私が言うのも変ですが、松幸農産は本当にいい会社です。「お米が良いから」を一番に挙げたいところですが、実は違って「働いている人が良いから」が一番の自慢です。誰一人例外なく、みんな素晴らしい人ばかりです。一生懸命にはたらいてくれるのはもちろんのことですが、人間的に魅力があって、みんな仲良くて、仕事にまじめに向き合って、より良くするためにいつも考えてくれて、実行してくれて。そうしてお互いに頑張れることが何より幸せに感じます。こんな話をすると、「それは社長が良いから…」とお世辞を言ってくれる人もいるのですが、それは笑って完全に否定できます。そうではないですね。「みんな良い」いつもそう思います。土づくり、良いお米を収穫する工夫、新しい販売方法、お客さんが来てくれる努力、積極的なPRなど、小さいながらも本当に沢山の取り組みを行っていますが、すべてみんなの挑戦や苦労の上に成り立っていて、それらが少しずつ着実に実を結んでいって松幸農産の今があります。いつからでしょう?覚えていないのですが、自然発生的に積みあがってきたものです。「どうしてですか?」と聞かれれば、「働いている人が良いから松幸農産は良いのです」という答えしか見当たりません。何にも代えがたい松幸農産の自慢。それは「人」で、そういう人たちが作るお米であったり、ケーキであったり、運営する飲食店であったり、また受付や発送業務であったり、動物の世話だったりします。だから、松幸農産のお米はおいしいし、ケーキや食事なんかもおいしい。来ていただければ、なんとなく気持ちがいい、そんな風に考えています。でもなかなか伝わらないですよね。内部的なことですから。新年ですので「松幸農産の姿」をトピックにして何か書こうと思ったら、このことがスラスラ出てきてしまったので書くことにしました。皆様の持っておられるイメージと同じだったでしょうか?

 

 

 

 これからどれほど、AIの時代が来て業務が効率化し、機械やシステムが自動化して効率的になっていったとしても、結局すべて「人」が大事なのだと思っています。15年くらい前に教えてくれた人がいました。最新鋭の機械やシステムさえあれば何でも可能になると、そんな風に語られる時代でもあります。でも、前時代的であっても、少しくらい能率が悪くても、どこか「人間臭い」部分があったほうが良いと思われないでしょうか。ご飯は手作りがおいしいし、人とは会ったほうが楽しい。間違いないですよね。

 

松幸農産は小さな会社ですが、「人がいる会社」です。そんな人が、今年も一生懸命お米を作ります。新年を迎えて、思いは新たに、良さはそのままに頑張っていきます。

 

皆様にお届けする品物の後ろに、頑張るみんなの姿を想像して頂けますと嬉しいです。

 

 

 

農業生産法人 松幸農産

 

代表 松田丈輔

 

 

 

 日本酒プロジェクト 第2

 

 産官学連携の日本酒プロジェクトですが、新たに社団法人を設立しました。その名も、「一般社団法人 神都の祈り」です。なんか宗教法人みたいですが、伊勢神宮のおひざ元にできた組織ですので、これはお許しください。私たちの日本酒「神都の祈り」を中心に、参加組織を募りながら、次の展開をこれから考えます。そして理事長には私、松田が就任します!もう完全に「実権なしのお飾り」というか、「消去法の貧乏くじ」というか、2度もフランスに連れて行ってもらったので、断りきれずにやることになりました。でも、こちらも奇跡的に良い構成メンバーに恵まれたので、共に新しい挑戦ができればと思っております。形や方針が決まったら、またご報告させていただきます。

 

 

 

 スイーパーの件

 

 皆様、「スイーパー」って知っていますか?一度ネットで検索してみてください。手動の芝刈り機みたいな形で、それを押すだけで、ゴミがすいすい取れていきます。今までほうきと塵取りで1時間はかかった倉庫の掃除も、これ1台で10分で終了です。お値段は約5万円。「早く出会いたかった!」の声が続出です。本当に便利です。なんかテレホンショッピングの1シーンみたいになっちゃいました!

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2017年12月 2日 (土)

あぐり新聞 12月号

皆様へ
 早いもので今年も12月に入ってしまいました。皆様いかがお過ごしでしょうか。よくても寒さが和らぐ程度の日々で、さすがに暖かい日はありません。一枚、また一枚と日に日に着ぶくれしていって風船に足が生えてるみたいです。みんなが丸く見えてきます。「俺は7枚着ているぞ!」「いやいや俺は8枚だ!」いつもの冬のワンシーンです。

 12月の松幸農産では、麦の種蒔きを必死で行っています。10月は長雨で全く作業が進みませんでしたが、11月に入ると一転、晴れの日ばかりが続きました。遅れを取り戻そうと猛然と作業を進めておりましたら、いつの間にやら追いついて、例年と同じようなスケジュールになりました。この12月が最後の種蒔きの適期ですから、気持ちよく年末年始を迎えられるよう、今年最後の気合を入れて突っ走っていこうと思います。

 さて、今年平成29年は最後の年です。いわゆる「30年問題」です。「減反」や「転作」という言葉はよく耳にしますよね。1960年代には米が余りはじめ、私が生まれた1970年代に導入されたお米を作らない政策、それが減反や転作(生産調整)です。以来、一貫して国は米の生産に関与してきました。その関与を来年、平成30年からやめて「自主的に生産調整を行ってくださいね」となり、その先はどうなるかわからない。これが「30年問題」です。

 普通に考えて、生産調整がなくなれば、大量の米が作られて余り始めます。何とか売らなければならないのでその分、価格は下がります。消費者にとってこれはメリットですね。ただ、8年前に米の大暴落があった際には、私たちも非常に苦しい立場に追いやられました。その記憶が生々しい現時点で作り手の生産者はそれを望んでいません。消費者の方々には申し訳ない気持ちでいっぱいですが、それが正直な気持ちです。

 そういった気持ちを考慮して国も無策ではありません。聞かれた方も多いと思いますが「飼料米=エサ米」の大増産です。転作作物として、法律上人間が食べてはいけない家畜の餌を作ることになりました。エサ米は輸入トウモロコシとの戦いです。一般の米以上に、価格では太刀打ちできません。その為、価格を合わせるために補助金で補てんされています。今ではエサ米を作った方が得な場合も多々あるので、どんどん増産されている最中です。みんながエサ米を作るので人間が食べる米の量は減り、近年米の価格は上がり続けています。 

 ある意味バランスが取れていると感じられるでしょうか。それとも何か変な感じだと思われるでしょうか。一方では生産調整をやめて、米が余るかもしれない状況を作り、米価を下げる。しかしその他方で同時にエサ米を作って調整を行う。これが機能して米は値上がりする。士すっきりしませんね。

 そんな中、松幸農産はどうするか。私は単純ですが「いいお米を作ろう」と思っています。海外産に値段で勝てる米、補助金で成り立つエサ米。考えるだけでなんだか寂しくなります。それよりも肥沃な土壌を作って、愛情込めて育て、秋には美味しいお米を収穫したい。汗を流して、泣いて笑ってのいつもの秋を迎えたい。そういったことに値打ちを感じるのです。高級品でなくて、誰もが手にできる範囲で、いつでも食べていただけるお米を作ることが生産者の仕事だと思っています。「いいお米」を作っていけば、そこにこそ道が開けてくると信じています。

 平成30年はどんな一年になるのでしょうか。「30年問題」がやってきますがどうなるかは実は誰も予想しきれていません。米価が大暴落するか、引き続き値上がりするか、よくわからないのです。でも、それはそれとして受け入れ、自分たちは自分たちの出来ることをしっかりする。そんな一年にしたいと思っています。

 皆様、今年も一年間本当にありがとうございました。非常に厳しい時代ですが、私たちのお米を食べて下さる皆様がいることが何よりの励みです。来年も少しでも皆様の期待に応えられるお米を作っていこうと思いますので是非見守ってください。

 何かと慌ただしい時期ですが、良いお年を迎えられますように。
 一年間、本当にありがとうございました。

                          農業生産法人 松幸農産
                               代表 松田 丈輔

「ポニーの芸」
 私たち、これから村のアイドル、ポニーたちはりんごか柿をあげると、犬がお腹をなでてほしくてあお向けになるようにポニーもあお向けに転がります。最初は調子を崩したかと心配しましたが3匹が3匹とも、リンゴか柿をあげると転がるのでよっぽど嬉しいのだ・・・ということで落ち着きました。わざわざポニーに会いに来てくださるお客様のためにポニー芸として、飼育係の滝さんは披露しています。ポニーも嬉しいおやつです。

あと、体が小さいので幼く見えるポニーですがお腹の大きさで中年だとばれてしまします。

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2017年11月 2日 (木)

あぐり新聞 11月号

皆様へ

 11月に入りました。皆様いかがお過ごしでしょうか。過ごしやすかった秋も遠のいて、日に日に冬を感じることが多くなりました。松幸農産では11月は小麦の種蒔きを行いますが、10月中旬からの天候不順で準備が全く進んでおりません。本来なら田起こし、溝切りといった作業は10月中にめどがついて11月は種を蒔き始めるのですが、10月末時点でほぼ手つかずの状態。このままでは収穫が梅雨時期にずれ込んで、最悪の場合は雨で収穫できず破棄することになりかねません。農業のプロとしてはそんなことは許されません。何が何でも適期作業を行うべく、11月もフルスロットが続きます。

 さて、10月に大きな台風が来ました。私はここで20年、農業をしていますが、雨の量では最大の台風です。大きな被害はありませんでしたが、あまりのも壮絶な光景でしたのでご報告させていただきます。

 台風は日曜日の夜に最接近する予想でした。土曜日の夕方には養生して帰り、後は台風が過ぎ去るのを待つばかりです。暴風はなく、ただ大雨だけが続きました。朝から夜までずっとです。夜になり、選挙速報を見ているとテレビも防災無線も大雨警報一色になりました。準備情報に始まって、避難勧告、避難指示。河川も氾濫注意のレベル2から、レベル3、レベル4とどんどん上がっていきます。最後には地域全域に避難勧告。「全員がどこに逃げるんだ?」と不安になり「会社の倉庫は大丈夫だろうか?」とますます心配になりました。収穫は終わっているので農業被害は考えられませんが、1年分のおこめが倉庫に積み上がっているからです。

 月曜日の朝、明るくなるのを待って家を飛び出ました。雨は止んで、今度はものすごい風が吹き荒れていました。松幸農産の倉庫の横には危険水位を超えた川の支流が流れています。風は大丈夫。もし被害があるとしたら浸水被害しかありません。車を走らせると目の前には広がるのは見たこともない風景です。一面が茶色の湖で集落は水に浮かんでいるようです。ほとんどの道路が冠水し、幹線道路だけがかろうじて通行可能でした。乗り捨てられた車。折れた看板。通りすがりの川は溢れ、泥水が橋を押しています。「これはだめだ・・・・」 もう、観念しました。通行止めを避け松幸農産に近づき「せいの!!」と覚悟を決めて最後の角を曲がると・・・・

 松幸農産は無事でした。川の水位と堤防の差は10㎝くらい。倉庫の床までは50㎝くらいの差でしょうか。一方、横の田んぼに目をやると見事に一面の茶色の湖です。畦も道路も全く見えず電柱だけが水の上に立っていました。まだ風が強く打ち寄せる泥水が崩れたのり面でしぶきをあげています。隣地のビニールハウスは水没し、遠くには民家へ救助に向かう消防署のボートが見えました。何十年とこの地で仕事をしていますが、こんな風景は初めてです。もし水位が数十センチ上がっていたら倉庫のお米は破棄しなければならなかったと思います。ガラスが割れたり、棚が押し流されたりと被害はありましたが、この程度で済んで本当に不幸中の幸いでした。

 そこで思うのです。「これは田んぼに助けられたな・・」と。
広大な田んぼが溢れた水を全て引き受けて水位の上昇を抑えてくれたのだから。
逆に住宅ばかりの街中は排水路だけでは処理しきれずに冠水被害を受けました。同じように低い土地でも、さらに低い田んぼがあったおかげで助かったのだと思います。
「さすが、松幸農産。田んぼに裏切られることはない!!」普段の行いの良さを自認しながら胸をなでおろすことができました。その後、水の引いた田んぼに残ったのは膨大なゴミです。田んぼに助けられた分、後片づけは私たちの仕事。ありがたく片づけをしました。

                        農業生産法人 松幸農産
                             代表 松田 丈輔

流れてきたもの、流れていったもの

 水が引くとたくさんの流木、稲わら、ごみが流れ着いていました。それに紛れて「生きた蛇」もたくさん流れ着いていました。命からがら逃げてきたのでしょうね。逆に松幸農産の「鯉の池」は完全に水没してしまい、ほとんどの錦鯉はどこかに流されていきました。川に流れついて無事ならいいのですが・・・海まで行っていたら・・・

パリとロンドンへ行ってきました。

 9月末に日本酒プロジェクトのPRに欧州に行ってきました。パリで取り扱ってくれるお店も決まり、徐々にではありますが進んでおります。ロンドンでミチコさんという女性を紹介されて一緒にご飯を食べました。コシノ姉妹のデザイナー「MITIKO LONDN]さんです。どうしてこうなったのか? お酒もまわって実は今でも謎のままです。

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2017年10月10日 (火)

あぐり新聞 10月号

松幸農産では手仕事よろず横丁、収穫祭とイベントが続き、忙しい日々でした。ブログの更新が少し遅れましたがあぐり新聞をお届けいたします。

皆様へ 

 10月に入り、すっかり秋も深まってまいりました。いかがお過ごしでしょうか。松幸農産では9月中旬に全ての収穫を無事に終えることができました。大豊作であった昨年よりは収穫量は落ちましたがそれでも過去2番目の豊作です。味もしっかりと甘みが乗った美味しいお米です。地道に取り組んできた土づくりが着実に実を結びつつある。そう実感しています。目に見えない土の世界、コントロールが効かない気候であっても工夫や苦労は決して裏切りません。これから始まる30年産に向けて信じることを一つ一つ積み上げ、更に上を目指していこうと思っています。私、45歳、引退まであと30年? まだまだやれることはあるはずです。

 

 会社で農業をしていると、農家さんに急なお願いをされることがあります。この時期ですので、収穫の依頼なのですが、年間のスケジュールや担当者が決まっている松幸農産では基本的に請け合うことはありません。人員、機械に限りがあり、引き受けてしまうと自分たちの作業に大きく影響してしまい、後々、後悔したことが何度もあるからです。逆に引き受ける場合は、次年度の耕作を松幸農産が行うことが決まっている時だけです。頼まれれば何でもするというわけではないので「なんだか、生意気だなあ・・」と幻滅される方もいるかもしれません。「助けてやればいいのに・・・」と思われるかもしれません。実は、農作業を専門に請け負う生産者グループもあって病気などで突然作れなくなったとしても、お金はかかりますが収穫できないなんてことにはなりません。この辺りは上手く住み分けができていると言えるでしょう。

 さて、ある日収穫したお米を乾燥機に入れる作業をしていたら見慣れぬおじいさんがやってきました。センターに敷地内に軽トラックを止めて誰に声をかけるでもなく敷地内を歩いています。目があっても声をかけてきません。不審に思って尋ねると「いや、ちょっと見るだけや」 と答えます。こちらも忙しいので「ああ、気を付けて見てくださいね」とだけ言って離れようとしました。すると「お前とこ、稲刈りしてくれへんか?」 と言われます。「あの、どちらさんでした?」 「どこの誰とは言えへんけど、やらへんのか?」 私は先に書いた理由で請け負わない事を伝えました。するとおじいさんは怪訝な顔をして帰ってしまいました。

 二日後、同じおじいさんがやってきて「やっぱり、お前とこで刈ってくれや」 「いや、やらないんです。JA経由で聞けばたくさんいるでしょう」 名前さえ知らない人です。断る気しかありません。 

「俺はお前とこで刈ってほしいんや」 

「何故ですか?」

「お前とこはええ噂しか聞かへんからや」

「!!!!!」

 うおっ!!と心が浮いてしまいました。何ということを言う人でしょう。これではまるで「オンリーユー」 と告白されたようなものです。「そう言われましてもルールが・・・」 と答える私に「とにかく一回田んぼを見てくれ」と私を車に押し込めました。着いてみると耕作したことのない地域でしたが近所には知っている生産者もいます。「○○さんには聞いてみましたか?」 と聞いても 「頼んでもおらん・・」 と言われます。目の前の田んぼは出来も素晴らしく、立派なものです。今すぐ刈るのがベストだと一目でわかりました。「いい田やろ」 「いや、確かにいい田んぼです」 「いずれ、お前とこに作ってもらうつもりや」 「そうですか・・・」 本当かな??と思いつつも断る台詞が出てきません。実は「お前とこに・・・」と言われた瞬間からもう、嬉しくて舞い上がってしまい、逆に引き受ける理由を探し始めていました。そしてこの「いずれ・・・」が私を後押しし。二日後の朝一に収穫させてもらいました。すごく喜んでくれて、それはそれで良かったのだと思いました。

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 結局、この方を含め今年は3軒の依頼を受けました。数年に1軒しか依頼はないので今年は多い方です。理由は全員同じ、急に健康を害して作れなくなったから。この方同様にドクターストップ、家族ストップです。高齢の農家さんの本当の限界が近づいているのでしょうか。実はは今回の方も収穫、乾燥調製後のお米を「明日、取りにくる」 と言われてから10日ほど連絡が取れませんでした。気分が悪くなって入院されていたそうです。お米を渡せた日、「田んぼは松幸さんに貸そうかな・・・」とつぶやかれたのが印象的でした。たとえ次の仕事にならなくても「他の人に依頼してください」 では駄目になってきているのかもしれません。少し考え方を変えていこうかなと思うようになりました。

                          農業生産法人 松幸農産
                                 代表 松田丈輔 

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2017年9月 5日 (火)

あぐり新聞 9月号

とれたての新米をお届けしています。

皆様へ
 暑さが残るこの時期ですが皆様いかがお過ごしでしょうか。松幸農産では待ちに待った収穫期がやってきました。最後の最後に長く居座る台風が来てしまったので、一時はどうなることかと思いましたが、幸いにも倒伏などの被害も軽微で無事に進めることができそうです。「空梅雨の年は秋の長雨」 近所のおじさんから聞いた言葉が当たっていないことを祈りながら9月中旬までどんどん刈取りを進めていきます。一年に一番お米が美味しいこの季節。適期刈り取りの、収穫したてのお米を届けるべく、松幸農産ではスタッフ一同、フルスロットで頑張っています。 

 さて、この件は書こうかどうか迷いました。ですが、妻から「悪いことをするわけではないので問題はないでしょう」と背中を押されたので書くことにします。

 実は我が家では「生協の宅配」を利用しています。会員の一人です。ある日妻から「生協のカタログと一緒にこんなチラシが入っているよ」と声がかかりました。「お米のご寄附をお願いします。社会福祉協議会」 内容はこうです。地域に生活困窮者がいて収入が十分でなく食糧確保もままならない方々がいる。そういった方々を対象に、1日2合(最大5日分)を上限にお米を提供したい。そのためお米の寄付を募っています。

 読んだ瞬間に「ああ、これは自分たちがやるべきこと」と思いました。農業を通じて、食の大切さを知っているつもりですし、自分たちが作るお米が「生きる糧」であってほしいと思っています。収穫期はそういった気持ちを一番強く持つ時期でもあります。大したことはできなくてもできることだからやるべき。 そう思いました。

 ただ疑問も浮かびます。はたしてこの国でこんな身近に、こういった状況があるだろうか。また、一日2合のお米を5日分配布するだけで、いったい何の役に立つのでしょう?その疑問を社協に電話で聞いてみました。答えはこのようでした。生活困窮者には生活保護制度があります。しかし、生活保護とまでいかずとも日々の食に困っている人が相当数いる。たとえば昔からの持ち家に住む高齢者。精神障害で動けない母親。DVで逃げ出してきた人たちなど。生活保護の支援外であったり、どうしても受けたくなかったり、誰にも何も訴えることのできない人がいる。もちろん、そういった方々への行政支援もあるのですが社協職員が巡回していると今日たった今、食べるものがない人がいて、とても支援を待っている状況にない。そういう人にすぐにお米を提供できるようにしておきたいそうです。やっぱりお米が一番なのでしょう。

 でも自分たちにどれだけのことができるのか?正直、支援に全財産を投げ打つことはできないし、継続して支えていくだけの気概も持ち合わせておりません。「中途半端なら止めておけ」と心のどこかで思いもするのです。」

 正直に書きます。提供すると決めたのはお米5俵(300㎏)です。何千俵も収穫してたったのこれだけです。機械を修理して肥料を買って、従業員みんなのせいかつもあって。一生懸命考えた結論です。不甲斐なさや葛藤や、自分の偽善への疑いや受けるかもしれない批判の声。そうしたことを差し置いてただできることをしました。

 いつも思うのです。農業の価値は食べ物を作ること。それが食べる人の血となり肉となる。命をつなぐたった一つの手段です。私達はそういう大事な仕事を任されている。そうであるならそういった取り組みはやり過ごすことはできない。 と考えました。

 できることならこの秋の収穫が一人でも多くの方々の喜びになることを。自分たちの泥臭い汗が命をつなぐ一助になることを願っています。このお米を食べて下さる皆様が、健康で元気でお過ごしであることを心から願っています。

                           農業生産法人 松幸農産
                                 代表  松田 丈輔

ランドンへ
 産官学連携の日本酒プロジェクトを今年も継続しています。昨年のパリに続き、今年はロンドンに行きます。今回はお酒だけでなく松幸農産のお米も持っていくことになりました。まだ次にどんな展開が待っているのかわかりませんが、いい話になれば新しい展開も開けてきます。遊びなしの弾丸ツアーですが非常に楽しみです。

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2017年8月 4日 (金)

あぐり新聞 8月号

皆様へ

 残暑厳しい折ですが皆様いかがお過ごしでしょうか。この1か月で田んぼの風景も随分と変わりました。7月の初旬は一面、緑の草海原でしたが、8月上旬からは薄緑の未熟な穂が広がっています。これからどんどん穂が充実して、頭が垂れ黄金色に染まっていきます。雨不足で悩みぬいたこの一年、耐え抜いて旺盛に茂った稲穂。収穫がついに目前に迫ってきました。

 ところで皆さん、SNSはご存じですか。ソーシャルネットワークサービスの略ですね。私もうまく内容を説明できないのですが「つながりを作るためのツール」というように思っています。フェースブック、インスタグラム、ツイッター、ラインなどなど、これらを通じて個人間、企業間もつながりを持っています。私自身、未だスマホを持たず、ガラ携派ですが、松幸農産ではSNSを活用しようということになりました。

 先日、みんなで話し合っている時に「松幸農産もSNSを取り入れたらどうだろう?」という意見が出てきました。「もっと松幸農産を知ってもらえれば、もっとお客さんが増えるのでは?」という考えがスタートです。松幸米を食べて下さる方々、とりみそ家、しあわせ家に来て下さる方々、どんどん増えていけば嬉しいことです。聞くところによると費用は全くかからないとのこと。トランプ大統領のツイッター攻撃や、お笑い芸人のインスタグラムなどテレビでも話題です。「何か面白そう・・・」と思ってアイディアを出してもらうことにしました。

 「LINEで繋がって・・・」 「インスタグラムは少し・・・」 「フェースブックならうまく・・・」「今はツイッターが・・・」 それぞれのメリット、デメリットを話し合って議論は尽きるともなく続いていきます。私はというと「???」半分も理解できません。いったい何を言っているのでしょう?少しは知識があると思っていたつもりですがお手上げ!!これが正直な感想でした。

 「わからないけど要するに何をするの?」と私。「ですから、インスタグラムなら・・・」と堀口君。「僕はLINEを始めようと・・・」と寺谷君。同じ迷路に入ってしまいます。「その違いはいいから要するに何をするの?」もう、いい加減にしてほしいと思い始めています。そこで東さんから一言。「要するに写真を撮って、短い文章を書く、それだけさ!」ああ、そうなのか。これで少しわかった。聞けば日々の松幸農産で起こったことなどを紹介していくそうです。

 そこで次の疑問がわきます。「それでどうしてお米を買ってくれたり、お客さんが来たりするの?」と私。「いいねを押してくれると・・・」「友達に拡散して・・・」 システム的な話にまた混乱してきます。なかなか要領を得ません。そこで東さんから再び一言。「これは宣伝広告になります。それはいいこと」

 そんなこんなで松幸農産ではフェースブックを始めます。稲の成育状況だとか、松幸農産で起こったこと、イベントやお得情報などをタイムリーに出していきます。なにぶんまだまだ手探りでルール作りも同時に行ったりで歩みは遅いかと思いますが新しい取り組みとしてやってみます。少しでも松幸農産のことや特にそこで働くスタッフの頑張りを感じていただければ嬉しく思います。そして、そこから少しでもお米を買って下さる方が増えればやはりうれしく思います。是非見てください。

  http:/www.facebook.com/korekara.jp/

追伸

 今回は自分の不勉強を恥ずかしく思っています。時代の流れに乗れてないことも反省です。しかし、一方で私が知らなかったことを、松幸農産のみんなが考えてくれて、実際にやってみようとしてくれる姿が嬉しく思いました。一人の力はたかがしれてますものね。

                      農業生産法人 松幸農産
                             代表 松田丈輔

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