今日は春の嵐とか、すごい荒れた一日でした。
松幸農産では手分けしてあちこちの施設の補強に大わらわでした。
あぐり新聞4月号をお届けいたします。
いよいよ本格的な田植えのシーズンになってきました。
ハウスの中は青々と繁った苗が元気に育っています。
今年も老夫婦の出番はあるのでしょうか。
スタンバイOKなんですが・・・もちろん要請があれば喜んで
出動です。
あぐり新聞 4月号
皆様へ
厳しい冬を越え、ようやく春になりました。
皆様いかがお過ごしでしょうか。
田んぼを見渡すと。畦々に雑草が生え始め、土色の大地を囲うような形で緑の線が見えます。雑草もこの季節を待ちわびたかのように、地面から表に出てきたのでしょう。田んぼには大小さまざまなトラクターも見えます。
今までどこに隠れていたのだろうと思うくらい沢山の農家さんも一斉に農作業をスタートさせました。
例年、同じ作業をしているはずなのに全てが新しく、初めての挑戦に感じます。新しい作業年度、新たな一歩を踏み出す時がやってきました。
お米を作るものにとって、一番大切な、そして一番忙しい田植えの到来です。
さて、農業を行う環境が変化していく中で、松幸農産として、今年から大きな体制の変化が避けられなくなってきました。国の施策によって木の葉のように揺れ動く「農業」ですが、今まで行ってきた私達のやり方では、今後、農業を続けていけなくなる未来が刻一刻と近づいていると感じています。何がどのように変わって、どのようにすべきなのか今回は説明させていただこうと思います。
農家の高齢化、耕作放棄地の問題、国内農産物の確保など理由は様々ありますがそういった種々の問題を解決するためには、次世代の農業を担う「意欲のある担い手」を育成していかなくてはなりません。このことは全く同感ですし、そして私の率いる松幸農産は「意欲」があり、地域最大の農業の受け皿として、次世代の農業を「担う」つもりでおります。「意欲のある担い手」とは、すなわち松幸農産であると私は信じて疑いません。
しかし国の考え方は少し違って隠された言葉が一つあります。それは「国が思い描く・~」です。国が思い描く意欲ある生産者を求めるのであって、独自に進めていく意欲ある生産者は今後の農業を担う存在ではない。その考え方から全ての施策が作られている限り、松幸農産は「担い手」とは認められません。
国が思い描く姿となるように、またそんな担い手が増えるようにどうするのか、今後、国は誘導的な投げかけを地域に行っていきます「誰が地域の担い手か、自分達で決めてください」このように問いかけます。ほとんどの農家さんが松幸農産に田んぼを貸してくれている地域で、仮に「では松幸農産を担い手に決めます」と言ってくれたとして、行政サイドはこう答えます。
「いやいや、生産調整に協力していない松幸農産は選ぶことは出来ません。」国が思い描く選択肢から選んでくれと言っているだけで誰でも良いのではありません。それならわざわざ決める必要がないのですが、そこで発揮されるのが農村のルールと補助金です。農村のルールとは、地域の合意形成を重んじること。補助金とは、協力することで得られる国からのメリット措置です。長く農業をしてきて、この手法の推進力は絶大で、少数意見が通らないことは私も含め農村なら誰もが知るところです。
一旦、「A地域の担い手さんは○○さん」と決まればそれに従わなければ悪者扱い。それに既存の担い手(例えば松幸農産)が借り受けた田んぼを「貸しはがし」、国により新たに決まった担い手○○さんに貸すと、貸した農家と新たな担い手○○さんに補助金が入ります。また新たに離農される農家が○○さんに農地を貸せば、退職金のような補助金が離農する農家さんに支払われ、かつ、○○さんにも補助金が入ります。5年間は農地利用契約の変更が認められないというルールもあります。これではこれから田んぼを借りることがほとんど出来ず、逆に「貸しはがし」によって耕作面積を大幅に減らし、地域から排除されるおそれは大いにあります。
もう一つ、TPPの問題もあります。
TPPが本当に進んでいくのか、それによって日本にどういった影響があるのか、現段階でははっきりしませんが、私たち農業に身をおく人間としては、不安ばかりが先に立ち、TPP推進には否定的な立場となっています。それに対して、国は「農業現場で働く人々を決して切り捨てないよ」という意味も含めて「農業を守る」と答えています。但し、ここまで読んでいただければご理解いただけると思いますが、同じく隠された言葉があります。もちろんこれも「国が思い描く・~」です。国が思い描く農業をする人々は、TPPが成立しても助けるけれど、それ以外の人は勝手にしてください、と線引きがなされることは間違いありません。このことは、政権が変わり、戸別補償を推進する中で色濃く実感することですが、前政権でも考え方の根本は同じでした。
万が一、外国産の農産物が大量に輸入された場合、1生産者がどうにかできる範囲を軽く越えてしまうかもしれない。「なんとかなるだろう・・・」と楽観的に対応できないほどの破壊力を持ったリスクが目前にきているとも感じています。
そんな環境変化の中で、松幸農産はどのように進んでいくのか。今後も変わらず松幸農産が農業を続けるために、そして松幸農産を応援してくれる方々、見守ってくれる方々の期待に応えていくためにどうすればよいのか?私は現在、「今は一旦、国の流れに沿うべきである」と考えています。すなわち生産調整に協力する。それが米粉用や加工用のお米を作ることになるのか、麦や大豆といった他の作物を作ることになるのか、今後決断せねばなりません。
お米をお買い上げ下さっている皆様に影響することはありませんが、大きく今までの松幸農産と変わることがありますので、先立って皆様にはご報告させていただきます。ぜひともご理解を頂きたいと思っています。
田植えの時期に入り、田んぼはいつもと同じように、何も言わずにそこにあります。私達のすべきことは、その田んぼでしっかりと耕作を続けていくこと。今から始まる24年産の米作りも、スタッフ一同、一生懸命育て上げますのでどうか温かく見守ってください。秋にはきっと素晴らしい実りをお届けできると思っています。
農業生産法人 松幸農産
代表 松田丈輔
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